「スケバン刑事(デカ)」に見る、PTSD(心的外傷ストレス障害)の描写

少女コミック「スケバン刑事(デカ)」は、
かなり詳細にPTSD(心的外傷ストレス障害)描写をしている

 

前回の記事「PTSD にVR 療法が効く? 」で、
近未来ではPTSD(心的外傷後ストレス障害)は
VR(バーチャル・リアリティ)で治療可能になるのでは、
という話題をお伝えしましたが、

今回はPTSD つながりで、私が
忘れがたく思っている印象的な
コミック作品を1つ、ご紹介したいと思います。

。。。。。。

マンガ「スケバン刑事」(和田慎二著、初出1975年)
かなり昔の、古典といえる作品ですが、
その心理描写やストーリー性は
今でも十分新鮮で刺激的です。

かつ、本稿のテーマであるPTSD(心的外傷後ストレス障害)
については、何十年も前のマンガと思えないほど
よく理解された上で構成されていると感じます。

特に、ヒロイン 麻宮サキが「敵」と戦った際に
巻き込まれた船舶の大爆発事故とその後の健忘症、
回復過程で蘇る恐怖記憶のフラッシュバック、

そしてPTSDの症状の1つである「麻痺」により
「刑事」として、ある市民にすべき声掛けができず
その結果その市民が2次災害に巻き込まれ、
その市民もまた重症PTSD に
なってしまった・・・という展開がありました。

作品中ではサキのこの状態を「恐火症」と名づけています。

。。。。。。

またこの作品の主人公は高校生なのですが
母親が徹底的に妹のみを溺愛しサキを忌み嫌い、
かつ夫(=サキの父親)を殺して刑務所服役中。

母親の死刑執行を免れさせたければ「スケバン刑事」
つまり、校内でのスパイ警官になれ、という
設定なのでかな~り極端なのですが、

もしも読者が思春期に初めてこの作品を
読んだとしたら、イチコロになるのではと思います。
(まさに私がそうでした・笑)

自分に怒りと憎しみしか向けようとしない毒親に
それでも自分の命をかけて、わずかでも注目して
もらいたい・・・という切ない思春期心性。

そして年上の若き私立探偵への恋情と、
それを「悪(敵)」側に利用されかねない状況。

どれも、引き込まれるストーリー展開で、
これまで複数回、映画やテレビドラマ化
されてきたのもうなずけます。

親への思い、異性への思い・・・
といったものを、改めて強く感じてみたい、
という人には、良い読書/鑑賞 経験になると思います。

。。。。。。

なお近年では、トラウマはただ悪いだけでなく、
活用のしかたによっては自身がより成長し
自分や他者、世界に対しての愛や意味を
感じられるようになる、という研究も深まっています。

これをPTG(心的外傷後成長)といいます。
近いうちにそのことも取り上げたいと思います。

 

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ホリスティック(※)精神科医として、できるだけ薬を使わずメンタル改善する方法を様々に模索し、相談者にご提供してきました。このブログではその中でも特にアート(特に絵画療法)のエッセンスを通じてあなたが自己ヒーリングできるように工夫した情報を発信していきます。 ーーーーー ※ホリスティック:「統合的、総合的な」という意味。ここでは薬物療法オンリーの従来型精神医学の限界を突破するために深層心理学、催眠療法(ヒプノセラピー)その他のスピリチュアル、アロマセラピー、そして精神症状を改善するエビデンスのある分子整合(オーソモレキュラー)栄養療法を通じてメンタル不調を改善することを指します。