その悩み、解決法は脳科学か心理学か、 あるいはスピリチュアル?

はじめに――その悩み、解決法は脳科学か心理学か、精神医学か、それともスピリチュアルか

こんにちは、ホリスティック精神科医の浜野ゆりです。

落ち込みや不安、イライラや怒り、恐怖感、罪悪感、絶望感・・・
生きていれば、精神的に辛い、さまざまな悩みを経験します。

 

そんなとき、あなたはどのように対処していますか?

そしてその対処スキルや知識は、いつ、誰から
教えてもらったものでしょうか?

 

私はこれまで、いくつかの心療内科で外来勤務してきました。

日本ではほとんどの人が保険診療を利用するので
保険にのっとった「標準医学」にもとづく診断と
薬の処方がどうしても主にはなりますが、

「極力薬だけに頼らない。メンタル改善の本質は
正しい<心のケア法>を知って身につけ、活用すること」

と思っていますので、必要に応じて最小限の処方はしつつも
できるだけ各患者さんに最適な、精神的あるいは生活面での
具体的アドバイスをするようにしています。

 

例えば、現在は違いますが、かつて勤めていたあるクリニックでは

・身体(脳)に最適な栄養素を十分入れることでうつや不安を
 改善できる「分子整合栄養療法」

・催眠状態で患者さんの深層心理から癒やして症状を改善していく
「催眠療法」

・ハンドヒーリングで気の流れをスムーズにし、
 リラクゼーションを
感じてもらう「レイキ」

・気分だけでなく脳神経学的にも集中力や睡眠を改善するアロマセラピー

なども取り入れて、患者さんの症状を改善していました。

薬物療法単独で行なうよりもはるかに患者さんが癒やされ
治療効果が高まる方が多いのでとてもやりがいを感じていましたが、
一方で以下のようなタイプの人々もおられ、
課題として感じていたことがあります。

 

それは
「本当は自分の責任として引き受け、つらくても直視し、
解決しなくてはならない」
問題なのに、

「前世に経験した過酷な経験のせいで、
今生でも人生が上手くいかないのだ」
「自分が不調なのは、●●の霊に憑依されているからでは」

などと述べ、他のもののせいにしているので
改善していくことができない、という人々が、
結構な割合でおられたことです。

 

もう1つのパターンとしては、(スピリチュアルを理解している浜野でさえ)これはどうみても統合失調症の幻覚妄想状態だなという方が
自分の誇大妄想を

「神の声を聞いた、自分は特別な使命を帯びた者である」
と信じ、その同意をどうしても欲しくて、
受診されたという方もおられました。

 

これら2つのパターンについて、この後更に詳しくご説明しますが、
スピリチュアルに依存するのではなく、必要な部分だけ知って
上手く取り入れながら、1つの治療法だけでは不十分な部分こそ
強化して、できるだけ効率的に改善していきたいものですよね。

 

現在、特に日本ではまだ
「精神医学・心理学・脳科学」といった理論的・客観的な分野と
「スピリチュアル」に代表される、直感的・感情的な分野の
両面を平等に活用しながらメンタル不調を改善していけるだけの
専門的知識と経験を合わせもつ医療従事者が少なすぎます。

 

なので本稿では「スピリチュアルを『非科学的』『宗教だ』
などと毛嫌いせず、かといって盲信してのめりこまず、
両者を適度に活用してメンタル不調を改善していくには」
について、お伝えしていきたいと思います。

恐怖症の原因が「前世」ではなく、自分の社会適応不安から来ていた例

ある若い女性は、当時さかんにテレビで
催眠での「前世療法」が取り上げられて
いたのを見て
「自分もこれにちがいない」と感じ、相談に来られました。


その方は水に住むある生き物(ここでは「X(エックス)」としましょう)を
見るのはもちろん、イラストを見たり考えたりしただけでも
身体が震えて何もできなくなるとの訴えでした。


しかしよくよく話をお聞きすると、時により、同じく水中生物の「Y」や
空を飛ぶ「Z」も怖く、何をしようとしてもXやYやZのことが思い浮かぶので
ちょっとした外出もできなくなりがちでした。

 

その人は大学生だったのですが、不安・恐怖対象が漠然と広がり
電車や教室など、不特定多数の人が集まる場所全般が怖くなり
ついに学校を中退してしまいました。

結局のところ、この人の「X恐怖症」は前世からの因果でもなんでもなく、
自分自身の成長や社会適応、そして他人との関係性作りへの緊張に耐えられず
出てきた症状の一部に過ぎなかったのです。

残念ながらこの方はそれきり外来治療を中断してしまったため
その後どう過ごしておられるかはわかりません。

 

しかしどこかの時点でこうした恐怖症が前世とか他の外部的要因ではなく
自信のなさからくる、自分自身の対人関係のあり方の
つまずきから来ていることを
受け入れて、
継続的な心理療法を受けて心を成長させていかない限り、
症状が解決することはないでしょう。

 

自分の辛さから逃げるために「解離状態」に入り、それをもって「自分は特別」「神と一体化した、自分は悟った」
などと誤解する例

これも30代前半くらいまでの若い世代の女性に多いのですが、
対人関係のストレスや、自尊心の低さに直面するのがつらすぎるため
無意識のうちに心の一部を切り離して「なかったこと」にし、
これにより、辛い感情を忘れるという対処法です。

身体でいえば麻酔をかけた時のように、痛みは一時的にやり過ごせますが、
そもそもの問題は未解決のままなので
いずれはその「つけ」に向き合うことになります。

 

よくある例としては、普段は優しく、おとなしく、周りの人達の
いうがままに
なっているが、本心では
怒りやイライラ、恨み、不満が鬱積している場合です。

ある時期から、特定の時間帯だけ、人が変わったように攻撃的になったり

思いも寄らない行動をして周りを驚かせますが、
本人はそのことを覚えていません。

これが何度も続くと、周囲の人からの信頼を失い、
ますます人間関係も悪くなるし
社会人なら仕事を失いやすくなるでしょう。

 

大概の解離事例では、辛さは一時的に切り離されているだけで
本人は特別メリットが感じられないので、社会的不適応を起こしていると
自覚し、自身の課題として向き合う決心ができれば、
継続的な心理カウンセリングにより少しずつ改善していくことは可能です。

 

しかし解離の度合いがさらに大きくなり、
解離中の言動を別人のように位置づけ、
しかも
(そうした人格は普段とは反対にわがままだったり
気が強く主張できたりするので)

その体験を楽しんだりするようになる(もちろん無意識レベルでですが)と、複数の人格の「使い分け」が快適になり、今さら

「自分の不完全さや未熟さという真実に向き合い、苦しくても成長しよう」
などとはなかなか思えず、
何年間にもわたって複数の性格を無意識レベルで演じ分ける、
という社会生活の送り方になってしまいます。

これがいわゆる「多重人格」状態ですが、
この状態では自分の弱さや欠点を否認、つまり
「なかったこと」「見なかったこと」にする
こことで
日々の社会生活のつらさをやり過ごす、という戦略です。

ということは、欠点を含めた総合的なあなたを受け入れてくれる
人間関係も築けないですし、
自分自身も自分の欠点を受け入れられないままなので自尊心が回復しません。

そのため、いつまで経ってもつらい人生が続くことになります。

さらには、普段とは別の人格の方が社交的だったり、
行動力があったり自己主張ができる
など「強い」人格だと、
そちらにとどまろうとする時間が増える場合や、

解離中に自分が周りの環境や物事と一体化して「悟った」、
「神の視点を得た」特別な存在だと感じてしまい、
普段の「平凡な」自分に戻りたくないという気持ちに
なってしまう人もいます。

 
そうなると、解離の治療につきものの
根気強く継続的な心理療法を
受けるモチベーションがなくなり、
よほど社会生活に支障をきたすまでは
解離状態を続けながらの人生を送ることになる人も、
少なくありません。

 

今の時代だからこそ、「宗教」「オカルト」と混同しない、脳科学や心理学、量子物理学の最新知見を前提とした
「中立的なスピリチュアル」を人生の指針にしよう

少し前――いわゆるスピリチュアル系は「精神世界」系として
例えば書店では分類され、宗教書や哲学書、そして
各種占いの書籍コーナーに隣り合って並んでいました。

 

そうした精神世界本の中には種々の魔術書や、
「龍神様に祈って願いを叶えてもらおう」
とかタロットをはじめとする各種占い本、
「宇宙人からのメッセージ」だの「UFOは実在する」
といった主張の本があふれ、
非常に怪しい書棚エリアとなっています。

 

精神を落ち着かせ、直感力を高める作用のある瞑想やヨガも
こうした書棚にありますが、

カルト宗教「オウム真理教」が1995年の地下鉄サリン事件をはじめとする
殺戮(さつりく)事件を起こしたこともあり、
もともと特定の宗教を信じるということに対しての警戒心が強い日本国民が
精神性を高めるといったことから足が遠のくきっかけになってしまいました。

しかし本来は、人間が自他に等しく寛容で親切心を抱くことにより
まず自分の心が落ち着きますし、そのための手段として
特定の宗教とか思想とか占いは必須ではありません。

次の章以降で詳しく述べますが、
自分の人生に意味を見出し、生きる目的を定めて
充実した人生を送るには、各自で自分に最もピッタリくる人生観
(世界観)を
見つけて、それを自分のテーマとすれば誰にも可能なのです。

 

日本人は無宗教だと、よくいわれます。

確かに、国民の大部分が特定の宗教を信じているという国の方が
世界には多く、
一般に合理的かつ個人主義といわれる欧米人でも、
国民の大半はキリスト教を
基本的に受け入れており、
宗教の教えが必ずしも科学的でないと感じても

それはそれとして、毎週の教会での礼拝や祈りと行った活動には
参加している人の方が多いのです。

なので、アメリカなどでは学校の教科書で進化論を、
現在でも教えていないそうです。

 

一方で日本人は特定の宗教を信じている人の方が少数派。

実家は仏教だがどの宗派か知らないという人は多いでしょうが、
それでも
大半の人はお盆や彼岸には墓参りに行き、
家族に不幸があればお寺でお坊さんに
読経してもらい、戒名を作ってもらい、初七日・四十九日・一周忌・三周忌・・・と、当分は法事を繰り返します。

 

同時に年末にはクリスマスパーティを行ない
(あるお寺では、地域の幼稚園児たちの
ために、クリスマスイブに
お寺の講堂でケーキやお菓子を振る舞うパーティーを
例年しているそうです)、
正月には神社に初詣に行き・・・

と、複数の宗教行事をわだかまりなく通年でこなし、
各々をそれなりに楽しむ
といった、他の国民からすると
不思議なメンタリティを持っているようです。

 

こうしたこだわりのなさは、悪くとれば
「節操がない、浅はかで何も考えてない」
といわれかねませんが、歴史から振り返ると、
そのおかげで得ている力強い利点もあります。

 

すなわち、世界のどんな強大な宗教が入ってきても、
元からある神道や土着信仰
(生活風習といって良いレベルのもの)と
並列して、
あるいは一部修正した形で取り込まれ、そのおかげで

神道その他も途絶えることなく、一見地味ながら実はしぶとく何百年も
生き延び、現代人の生活にも根を下ろし続けているのです。

 

こうしたあり方は「神仏習合(しゅうごう)」といわれ、
例えばお寺の敷地の片隅に
稲荷神社の
小さな祠(ほこら)が祀られていたりするのが典型的です。

しかし、少しずつですが、欧米をはじめとするキリスト教圏でも
特定の宗派の教えを厳密に守ることよりも、宗教が本来
共通して伝えたかった
メッセージの方が大切なのではないか、
と感じる人が増えてきた気配もあります。

一方で日本人においては、特定宗教の信者というよりは
「ある程度の精神性を伴う生活上の風習」として宗教行事を捉えてきたので
厳密な教義や信条は持っていないしわからない、という人が大部分でしょう。

 

しかし神社にお参りに行く時や法事に参加する時、個人が感じているのは
漠然としたものにしろ、何らかの形で心を調えて落ち着かせ
物事を良い方向に進めやすくしたい・・・ということのはずです。

 

つまり、神にしろ仏にしろ
「人智を超えた存在があると仮定して、それに祈り、
 不安をその存在に預けることで安心できる」

「心が落ち着くと物事を冷静に判断しやすいので、
 結果的に現実も好転させやすくなる」

といったことを、経験的にわかっていたのでしょう。

 

ただ、以下の点について、ほとんどの人が漠然としているため、
明確な人生の指針として
最小の不安や恐れと、最大の充実感や幸せ感を持つまでには至らなかった、
なぜならその辺りを系統的に教えてもらえる機会がなかったから、
といったところではないでしょうか。

 

例えば、以下の点(テーマ)について、
自分なりに納得のいく確固とした視点を持てたら
人生はずいぶん生きやすくなると思いませんか?

 

・「人智を超えた、大いなる存在」とは何か、という自分なりの定義

・生まれて来た意義(意味)、今後生きていく目的

・死んだらどうなるのか

・なぜ人生で苦難があるのか

 

こうしたことを自分なりに把握し、
それに基づいて日々の判断をできるようになると

人生に何が起ころうと自己評価を下げることなく、
むしろ起きたことをきっかけに
自分をより強く成長させられるので、
人生が進むほと
ますます自分を良い意味で愛せるようになり、
充実感・幸福感の大きな人生にしていくことができるようになります。

 

次の章以降では、日本人の持つこうした優れた精神性の特徴を活かしながら

・科学的視点を失わず、かといって

・スピリチュアルと聞いただけで食わず嫌いせず

最近の脳科学や心理学、量子物理学等の知見も上手く取り入れながら

生まれて来た意味や生きる目的を感じ、
死の不安に怯えることなく毎日を充実して生きる。

そのための方法をお伝えしていきます。


次章からの流れは、以下の通りです。

なお、「理屈はいいから、とにかく早く気分や運気を良くする考え方や手法を知りたい」

という方は、まず第2章からお読みになると良いでしょう


目次一覧

はじめに

第1章
あなただけの「ベストスピリチュアルブレンド」となる
価値観・人生観を作るための基礎知識

1)あなたのスピリチュアル度チェックリスト

2)「科学的」V.S.「スピリチュアル」――真に「科学的」なスタンスとは

(1)そもそも「科学的」視点が前提になっていない例

  ①「実験」と「デモンストレーション」の違い

  ②サイト「『水からの伝言』を信じないでください」


ーーー(以下は編集中)ーーー

(2)「スピリチュアル」を批判する自称「科学者」たちの、誤解と思い込み

   ――スピリチュアル批判書への反論

  ①『スピリチュアリズム』(苫米地英人著)

  ②『スピリチュアルにはまる人、はまらない人』(香山リカ著)

  ③『代替医療のトリック』(サイモン・シン他著)

 

第2章 
スピリチュアルに依存せず、毛嫌いせず
物心ともに最大メリットを手に入れるコツ3選と、占い活用法(基礎編)

 

第3章 それは魂の進化か、それとも精神病か

      ――「至高体験」と「精神病」を区別するポイントと対処法

1)統合失調症などの精神疾患での「幻覚妄想体験」と、
  意識の進化による至高体験・一時的な混乱を区別する

2)精神病と至高体験時の治療法は異なる。それぞれの説明

3)意識の「発達階層論」とは

スピリチュアルの落とし穴4つ:

①スピリチュアル・アディクション(依存症) ②排他性 ③選民思想 
④スピリチュアル・エマージェンシー(SE)…原因3つと対処法3つ

 

4)「第六感」と折り合いをつける――その方法3つ

 

付記 占いの活用法(応用編)――より深く、正しく占いを活用するために

1)占いは「象意」で表現される
2)凶運の減らし方
3)宿命と運命
4)相性とは


おわりに

 

<参考図書>
『スピリチュアル・エマージェンシー』https://amzn.to/2DjJJmL 
『瞑想の精神医学―トランスパーソナル精神医学序説』https://amzn.to/3fawGS7 
『心理療法とスピリチュアリティ』https://amzn.to/3gmbJVP 

<関連動画>
それは精神病か、魂の成長か――スピリチュアル・エマージェンシーについて https://youtu.be/IdkCZ05Rrsg 

死ぬのが怖くなくなる世界観【宗教は不要】https://youtu.be/tBTihq3XtoA 

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ホリスティック(※)精神科医として、できるだけ薬を使わずメンタル改善する方法を様々に模索し、相談者にご提供してきました。このブログではその中でも特にアート(特に絵画療法)のエッセンスを通じてあなたが自己ヒーリングできるように工夫した情報を発信していきます。 ーーーーー ※ホリスティック:「統合的、総合的な」という意味。ここでは薬物療法オンリーの従来型精神医学の限界を突破するために深層心理学、催眠療法(ヒプノセラピー)その他のスピリチュアル、アロマセラピー、そして精神症状を改善するエビデンスのある分子整合(オーソモレキュラー)栄養療法を通じてメンタル不調を改善することを指します。