メンタルセルフケア記事の後半 その3<参考図書②精神医学・心理学>

記事の文字数が増えるにつれてブログが重くなり
なかなか更新できなかったりエラーが出ることが続いたため
後半記事を作ったのですが、それすらも追記困難になるほど
コンテンツが増えてきました。

そのため後半記事をさらにいくつかに分け、こちらのページでは
「参考図書」専用②<精神医学・心理学>として新たに設定しました。

前半記事:前半記事その1前半記事その2:セルフ・コントロール①前半記事その2:セルフコントロール②

後半記事: その1<各改善法の詳細>その2<おすすめ情報源>
その3参考図書①<栄養療法>その3参考図書②<精神医学・心理学>その3参考図書③<スピリチュアル>その3参考図書④<その他> 

目次

参考図書

記事の中で取り上げた(一部はそれ以外も)良書をリストアップしておきます。

精神医学・心理学

『オプティミストはなぜ成功するか』

楽観的に考える人は、能力に恵まれた人以上に成功しやすい。
現在悲観的でも、意識的に練習することで楽観的になれる。
といったことを、数々の研究結果から示してくれています。


 

『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』

著者はスタンフォード大学の著名な心理学者で、著書はいずれも非常に人気です。
 本書では、ストレスを悪者、避けるべきものとしてではなく、自分を成長させ、強くしてくれる機会だととらえることで、実際に以下のようなメリットがあることを教えてくれます。
 これでもう、ストレスは「嫌なもの」ではなく「よし、これで自分はもっと良くなれる!」という、わくわく源にできるようになります。

<ストレスをチャンスととらえることで受けられるメリット>
・ストレス時に分泌が増えるホルモンを、コルチゾール(免疫力を低下させてしまう)からDHEA(パワフルなアンチエイジング作用)に変えられる
・学習能力を上げ、死亡リスクを下げる
・人格が成長し、多少のことでは過度に動揺しなくなる
・他者に優しくなれる。そのことでさらに自分の主観的時間が増えて余裕感が持てる
・自制心が強まり、その結果、自分が達成したいことを達成しやすくなる


 

『こころのライティング 書いていやす回復ワークブック』

私がこれまでブログ記事で何度も勧めてきた「筆記開示(書き出しワーク)」のやり方を、詳しくまとめてある本。


 

『書く瞑想――1日15分、紙に書き出すと頭と心が整理される』

『筆記開示』とはまた少し異なるやり方で心の内面を開放・成長させていくテクニックを解説した本。こちらはあさイチ15分毎日書き、それをもとに月に1回整理する(心の片付け)をするなど、いくつかのワークが組み込まれています。
前掲書『こころのライティング』とこの本、あなたに合いそうな方を選べば良いでしょう。いずれにしろ最も大事なのは、毎日続けることです。


 

『自分でできる「不眠」克服ワークブック』

長引く不眠を訴える人の場合、それがうつ病や統合失調症といった精神疾患による場合はもちろんそちらを治療することが最優先ですが、
そうではないのに数週間以上にわたり睡眠障害がある場合のほとんどは、
間違った生活習慣とメンタル習慣によるものです。

すなわち
・外出しない、運動しない、他人と会わない
・食生活が偏っている
・寝る直前までスマホなどデジタル画面を見つめ、ブルーライトを浴びている
・夜うまく眠れないからといって昼寝している
という、間違った生活習慣と、

・毎日何十回もネガティブなことを考えている
・床に就いてからもネガティブなことをあれこれ考えてしまう
・気分転換法やストレス対処法をほとんど持たない
という、間違ったメンタル習慣のまま暮らしてきたからです。

なので不眠を解消したければ、これらの間違った習慣を
改善していく必要があります。

間違った習慣を変えないまま、ただ睡眠薬を処方してもらったとしても
効果はせいぜい一時的で、それもすぐに効かなくなり
「もっと強いものを、もっとたくさん処方してほしい」

と要求し続けることになります。

もちろん薬は処方可能な上限量が決まっています。
1~2種類を処方箋どおりのんでいるぶんにはほとんど問題はありませんが、
複数の睡眠薬や精神安定剤を合計3種類以上とか、
最大mg数で数ヶ月以上のんでいる人は、すでに薬への耐性(効かなくなる)と依存性(やめられなくなる)ができている可能性が高いでしょう。

こんな状態にならないために、早い段階から薬物に頼らず
生活習慣とメンタル習慣を変えていくことが、非常に重要です。

メンタル習慣は筆記開示やマインドフルネス瞑想、そしてマインドフルネスを取り入れた各種心理療法(後述)で改善できます。
また食生活の改善と適切な運動も、
自分で睡眠を改善するのに非常に有効です。

一方このワークブックでは「短期睡眠行動療法」という
一種の認知行動療法で、ある意味強制的に睡眠パターンをリセットし、
不眠を改善する手法を解説しています。
これはこれで、きちんと実施すればかなり強力です。

そのエッセンスを挙げると

就寝時間を早めようとするのではなく、
(どんなに睡眠不足でも)朝の決めた時間に起床し、昼寝せず、
夜も早すぎる時間(21時以前)には床に就かないで我慢する。
これにより、21時以降に速やかに、深く眠れるようになる。

というものです。


 

『拒食症・過食症を対人関係療法で治す』

「対人関係療法」という、「認知行動療法」と並んでうつ病などの精神疾患に有効であることが証明された心理療法を、摂食障害に応用した本。

日本で対人関係療法を広めている第一人者であり、精神科医の著者が
長年の臨床経験から一般向けに解説したもので、これを本人と母親が読み
意思疎通できるようになっただけで摂食障害が改善した、
という事例も多くあるそうです。


 

『対人関係療法でなおす「気分変調性障害」』

「気分変調性障害」とは、一つ一つの症状は本格的なうつ病ほど重くはないが
軽度から中程度のうつと不安が長年続く状態です。

このため本人は「人生はつらく、楽しいことはほとんどないものだ」
という感覚のなかで生きています。
十代、さらには子供時代からそう感じていることが多く、
そのため本人は自分の性格だとあきらめがち。

しかし近年になってからこれが精神疾患(うつ病の一種)だと認定された理由は、抗うつ薬により比較的短期間に改善が認められる事例が少なくないからです。

典型的なうつ病でもそうですが、常に不安で悲観的だと自己評価が下がり、
対人関係も受け身で、他人の要求に不本意に振り回されがちです。
するとますます自己評価が下がり、人生がつらく感じられてしまいます。

本書では気分変調性障害を自分の人格とは別個の「病気」ととらえ、
その治療をすることで自己評価を回復させる方法を解説しています。

もちろん対人関係療法の本なので、対人関係の持ち方を改善し、
自身の正当な要求を伝えたり、不要な人間関係から距離を置く方法を
考えるなど、ストレスを減らして生きやすくする方法を教えてくれています。


 

・『正体不明の声――対処するための10のエッセンス』

統合失調症の典型的な症状は幻覚妄想、
なかでも「幻聴」と「被害妄想」です。

幻聴は非常にリアルであり、脳も外から聞こえてくる音声と同じ部位で
処理されるため、本人的には実際の音声と区別ができません。

おまけに自分が最も気にしていることについて繰り返し言ってくる声が多いため、どうしてもその内容に巻き込まれ、言い返そうとしたり、
攻撃的な声から逃れようとして、周囲に疑いの目を向けたり、

最悪な場合にはつらすぎて自殺願望が出てきます。

本書では幻聴を「本人のストレス度を示す指標」ととらえるよう助言し、
幻聴の内容にはとらわれない練習をするよう勧めています。
幻聴が出現・悪化しやすい4大要素として①不安②孤立③過労④不眠をあげ、幻聴が強まったら速やかにそのストレス因子を減らす行動をするようにと述べています。


 

『スピリチュアル・エマージェンシー:心の病と魂の成長について』

「スピリチュアル」本のカテゴリーにて解説しています。


 

『夫婦、カップルのためのアサーション』

対人関係に問題を抱えている人は、相手への不満を限界まで我慢した末に
爆発し、感情的なぶつけ合いをして互いに傷つけてしまう、
というパターンを繰り返しています。

本書で扱うアサーションとは、過度に感情的にならずに自分の気持ちや希望を相手に上手に伝えるとともに、相手の気持ちや要求も適切に受け止め、それによってお互いに納得のいく落とし所を見出すコミュニケーションスキルです。
スキルである以上、正しい情報を学び、その練習を日々行なうことで上達できます。


 

『スマホ脳』

著者の母国であるスウェーデンでは現在、9人に1人以上が抗うつ薬を服用し、2000年頃と比べて8倍の人口が不眠のために受診している
という状態だそうです。

また中国の若者で重度にスマホゲームにハマっている人たちの中には
学校にも会社にも行かず、家族とも話さず、起きていられる限りの時間を
ネットゲームに費やしており、トイレの時間さえ惜しいということで
オムツをつけてプレイしている人たちまでいるとのこと。

スマホのコンテンツ(特にSNS、対戦ゲーム、ニュース速報など)は
アルコールやギャンブルと同等以上の強力な依存性があることが、
近年の研究でわかってきました。

特に物心もつかないうちからデジタルに長時間触れてきた人口が
増えるにつれ、平均IQ が下がり続けていることも問題視されています。

スマホのプログラミングには成人でも依存しやすいのに、
脳の発達途上の子どもたちに(アルコールやニコチンと違って)何の規制も
なされておらず、
このままでは知能も人格面でも大きな損失を受けていくだろう、という警告と、この依存症を予防ないし脱出するにはどうすれば良いかの提言もしてくれている本です。


 

『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に働くための本』

注意力の偏りと他人への共感能力のズレから、(学生時代はまださほど目立たなくても)社会人になった途端、職場に適応障害を起こしてしまう人たちが近年、増えています。
一口に発達障害といってもその程度や、どの機能がより不得意なのかは
個人で大きく異なっているため、平均的なマニュアルは作成不能です。

しかしながら本書で取り上げ提案するさまざまな工夫で、あなたが
「気をつけているつもりなのにまたやってしまった」
「そのせいで仕事や人間関係がうまくいかず、苦痛」
といった状況を脱出しやすくしてくれるでしょう。

なお本書は人気だったらしく、その後シリーズ化され
発達障害の人が上手に「暮らすための本」「お金と付き合うための本」
「会社の人間関係で困らない本」「女性が上手に生きるための本」
はいずれも読者の高評価を得ています。


 

『強迫性障害の治療ガイド』

強迫性障害の基本的な治療は「暴露反応妨害法」という、一種の行動療法です。そのエッセンスは

「強迫性不安は、思い浮かんだ瞬間が最も強いが、
その不安にかられて直ちに行動しないでいると、
数分のうちに不安が低下していく」

ということを、実際の生活のなかで繰り返し体験し、
強迫行動をすぐにはしないで耐える、という訓練をすることです。
 なぜそうなのか、具体的にどう行動していけば良いのかを解説したのが本書です。


 

『実体験に基づく強迫性障害克服の鉄則 (増補改訂版)』

強迫性障害の体験者であり、行動療法で克服した著者による体験記。
当初は自費出版でしたが、必要とする読者が多かったのでしょう、
のちに他の人たちの事例やワークブック部分も加わった本書となりました
(しかも精神医学・心理学では老舗の出版社の一つから出ています)。


 

『こだわり思考とうまく付き合うためのワークブック』

→解説文は次項にあります。


 

HSP(非常に敏感な人)のための本

2010年代に入った頃から、「常識的なレベルよりも過度に敏感で、通常の環境や対人関係にも耐えられないために社会不適応を起こしがちな人たち」が注目され始めました。
 こうした性質は生まれつきの、いわば「脳の体質」と考えられ、そのため「気の持ちよう」などでは変えられない要素が多いのですが、なかなか周囲に理解されません。
 また本人も「自分は心が弱くてダメな人間だ」などと自己評価が低下してしまい、そのせいでなおさら不安や緊張が高まり、社会参加が苦痛になってしまいます。
 しかし実際には、5人に1人はHSP という研究結果もあり、たとえ自分がそうでなくとも、家族や友人、同僚や部下がHSP ということも、十分あるでしょう。なので周囲のHSP の人たちを理解し、望ましい対応をするためにも正しい情報を得ておくことが肝要です。
 以下の2冊は、自身もHSP である著者が、一般社会の中でHSP がどう折り合い、工夫することで生きやすくできるかを解説したものです。
 2冊目は特に恋愛・結婚へのHSPの向き合い方に特化。自分✕相手が「HSP である✕HSPでない」の4通りの組み合わせに分けて、相手の選び方や効果的な意思疎通法等について説明しています。

『敏感すぎる私の活かし方 高感度から才能を引き出す発想術』 
『ひといちばい敏感なあなたが人を愛するとき―HSP気質と恋愛―』

 

不登校・引きこもり

『不登校からの進路選択』

我が子が不登校になると親は慌て、不安になり、なんとか登校させようとプレッシャーを子供にかけがちです。しかしこれは逆効果です。
 本書ではなぜ不登校・引きこもりが起きるのか、そこからこじれずに最善のタイミングで社会復帰するにはどう理解・対応すれば良いのかを、豊富な事例をもとに解説しています。
 典型的な経過を「心のエネルギー状態」とともに描いた図が本書の冒頭に付属しているのですが、これがとてもわかりやすい。
 同時に、通常の全日制高校に行けなくても4種類の進学方法があり、希望するならそれで大学以降にも進学できるとわかる説明図も。
 こうした内容を読むことにより、本人と親に大きな安心感をもたらしてくれるでしょう。


 

『8050 親の「傾聴」が子供を救う』

前述『不登校からの進路選択』で助言してるような正しい対応をせず無理やり登校させようとしたり、正論で説教したり、アメとムチ戦略で子供をコントロールしようとする、泣いたり脅したりする、無視する、逆に腫れ物に触るような対応をする・・・どれも不登校・引きこもりには逆効果で、子供はこじれ、暴言暴力へとエスカレートしします。
 『8050~』は親がこのように誤った対応をし続けた結果、子が50代、親が80代になってもなお、引きこもり続けている多くの事例をみてきた著者(精神科医)が、親の「傾聴」と心からの「共感」だけが改善をもたらすこと、それは親子がこれほど高齢になっても有効であることを伝え、子への具体的な対応法を細やかに助言しています。

マインドフルネス瞑想を組み合わせたことで、劇的に効果を挙げた心理療法

マインドフルネス瞑想を組み入れたことで、
劇的に効果を挙げた心理療法はいくつもあります。

というか、ストレスが複雑化・慢性化した現代では、
もはやマインドフルネスの視点抜きでは従来の心理療法が適合せず
効果不十分な場合が多々あると、臨床家たちは実感してきたので
マインドフルネスと合わせたところ、予想以上に上手くいった、
というところでしょう。

それは、以下の心理療法で効果が判明しています。

(1)認知療法/認知行動療法→マインドフルネス認知療法(MBCT)にすることで、3回以上うつ病になった人たちの再発率が半減した。

(2)認知療法/認知行動療法→弁証法的行動療法(DBT)にすることで、従来は治療困難といわれていた境界性人格障害にも有効だと判明。

(3)認知療法/認知行動療法→アクセプタンス・アンド・コミットメントセラピー(ACT)にすることで、従来は心理療法は不可、むしろ病状を悪化させてしまうといわれていた統合失調症の人たちにも効果を発揮し、緊急入院をしてきたような激しい状態の患者にさえ、わずか4時間のグループセッションでその後の再入院率を半減できた。

(4)摂食障害も、かなり治療困難なものとして臨床家に知られてきた病態だが、「マインドフルに食べる」のを実践することで過食や過食嘔吐が習慣化してしまっている人でも改善可能なことがわかってきた。

(5)心的外傷後ストレス障害(PTSD)、いわゆる「トラウマ」のため日常生活を送ることも困難になってしまっている人には、従来の心理療法のようにトラウマに直面させるだけでは逆効果な場合が多いことがわかってきた。
そこでマインドフルネスを効果的に併用することで心理療法中の不安を軽減し、トラウマ記憶と適切な距離を置いて共存する方法が編み出された。

(6)自分を成長・改善するために、多くの人は自分の欠点や失敗にフォーカスして批判し、むち打つことで前進できると思っているがこれは誤解であり、
自身に対する思いやりと共感(セルフコンパッション)こそが、今後の改善と成功率を上げることがわかってきた。

このように多くの病状に対してマインドフルネスを組み入れたアレンジをすることで、大幅に効果を挙げています。

これらの心理療法はどれも2000年代に入ってから、中には2010年代に入ってから開発・研究され効果が発表され始めたばかりのため、臨床心理士や認定心理士でも知らない人の方がまだ多いと思われます。

幸い、一般向けの良書が何冊も出版されているため、自分の症状や悩みに応じてまずはあなた自身で学び、日々練習して身につけることをお勧めします。

これらは「心のスキル」であり、英語やスポーツや楽器と同じく、
ただ知識を得ても意味は薄く、実際に毎日の生活の中で
自分から繰り返し練習をしてこそ、身につくものです。
1つ手法を学んだら、最短でも3~6ヶ月は毎日実践しましょう。


 

『幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない』

最新式(第3世代)の認知行動療法の1つである「アクセプタンス・アンド・コミットメントセラピー(ACT)」に基づき、読者が自分で自分の内面を変えていけるように設計された本。
「苦痛から逃れようとすること」「幸福をゲットしようとすること」自体が
かえって苦痛を生じ、持続させてしまう原理を説明し、対処法を解説しています。

『相手は変えられない ならば自分が変わればいい:マインドフルネスと心理療法ACTでひらく人間関係 』

「相手がこう間違っているから、私がストレスを受けている。
だから相手がそれを直すべきだ」と思っている限り、あなたの苦痛は減りません。
対人関係は相互関係であり、関係性を改善したいなら、まずあなたが変わる必要があります。
前述「ACT」でそれを行なう方法を述べています。

『セラピストが10代のあなたにすすめるACTワークブック 悩める人がイキイキ生きるための自分のトリセツ』

上記2冊は非常に良い書籍で、本当は子供時代から習得しておくと思春期の多難な時代も、その後の人生もぐっと楽に生きられるものです。
とはいえ自分で読んで学ぶには内容が難しいとか、結構ページ数もあるので大学生以降くらいでないと独習はハードル高いでしょう。

そういう場合には以下の本がお勧めです。
10代のみならず、あまり読書が得意でないなら20~30代の人にも入門書として適していますよ。

『子どものためのマインドフルネス』


タイトルに「子どものための」とありますが、大人にも十分使えます。というか、マインドフルネス初心者には、こちらのほうがわかりやすく、抵抗感も少なく始められるのでは、とさえ思います。私自身も購入し、ちょくちょく使っています。
 体裁はフルカラーの絵本のようで、見開き2ページにつき、マインドフルネスのワークが1つ載っています。
 ワークといっても「雲になってみよう」「あったかいスープを飲むイメージをしてみよう」など、リラックスしたり意識を集中するための、短時間で誰でもできるわかりやすいものばかりです。
 なので気分が乗らない時、デスクワークに疲れた時など、ランダムに開いたページのワークを1個するだけも、ホッとできることでしょう。


 

『弁証法的行動療法実践トレーニングブック』

冒頭(2)で説明したDBTの主要スキル(苦悩耐性・マインドフルネス・感情調整・対人関係)の詳しい解説とワークのしかたを説明した本。

『マインドフル・セルフ・コンパッション ワークブック(誘導瞑想DL用URL つき)』

ストレスでつぶれてしまう人は自分の欠点や失敗にフォーカスし、自分を責め、むち打ちます。これにより自分の気が引き締まって次回は同じ失敗をしないようになるとか、成長すると思っています。

しかし実際には逆効果で、自己批判ばかりしている人はやる気がなくなるので改善のための行動をしなくなり、自分を責めたストレスで注意力や認知力も低下するので生産性が落ち、ますます失敗しやすくなることが、研究でわかっています。つまり自己批判は逆効果なのです。

その正反対、すなわち自分への思いやりと共感こそが、心を安定させ、成長と改善を促進します。
本書ではそのやり方を、ワークブック形式で一歩ずつ教えてくれています。

『マインドフルネス認知療法ワークブック:うつと感情的苦痛から自由になる8週間プログラム(マインドフルネス誘導CD付き)』

第3世代認知行動療法の1つ「マインドフルネス認知療法(MBCT)」を
腰を据えて学びながら身につけていくためのワークブック。
さまざまに種類のあるマインドフルネス瞑想について、音声で誘導してくれるCDつきなので、瞑想初心者にもなじみやすいでしょう。

『マインドフル・イーティング』

摂食障害、特に過食症では(お酒やタバコ、ギャンブル等と同じように)
食べることで心の中の苦痛から目をそらし、それによってストレス発散している状態ですが、この方法では効果は一時的・限定的です。

またストレスそのものと向き合って自分なりに納得できる形で対処できていないのでストレスはずっと続きますし、過食・過食嘔吐・拒食など不健全な習慣を続けていると自身の健康を害するだけでなく、不適切な対人関係も改善しないままですし、社会適応(勉学、就労)にも支障をきたしますので生活に困窮することになりかねません。

過食をする人は食べ物を口に詰め込むことと体重は気にしますが、食べている最中は決して食事に意識を向けておらず、頭の中は不安思考ばかりが渦巻いている状態です。

本書では、不健全になっている「食べるという行為」に改めて意識を向け、
「マインドフルに食べる」とはどういうことかを伝え、具体的なやりかたを

教えています。

食べること自体に集中すると、その間、不安思考は減るのでメンタルが安定します。
その結果、食べ過ぎることが少なくなるので体重も減り、自然な形でのダイエットにもなるのです。

『こだわり思考とうまく付き合うためのワークブック』

強迫性障害の治療法は、暴露反応妨害法が基本です。
しかし同時に、強迫性不安についての考え方(認知のゆがみ)を修正する
「認知療法」的要素も必要です。
そして認知療法もマインドフルネスを併用することでより効果が高まることも研究で知られるようになってきました。

そこで本書の登場です。暴露反応妨害法では
強迫性不安が湧いてきた時に、反射的にすぐ確認しない
というミッションがあるのですが、せっかく行動を止めていても
頭の中でさっきの状況を思い出して検証していたのでは
これも「頭の中での強迫行動」になってしまい、効果が出ません。

そこで、不安にかられながらも行動せず待つ間に、以下のことを行なうようにと、本書では助言しています。

・全く別の、できれば楽しいことを考える(過去の楽しかった思い出でも良いし、今後そうなったらいいなあと思う楽しいことでも良い)。
・今自分が感じている、「確認したい」という衝動や不完全な感じを
変えようとするのではなく、あえてそのままの状態を観察する。
・自分の呼吸や身体の感覚、周囲から聞こえてくる音などに意識を集中する。

『マインドフルネス実践講義―マインドフルネス段階的トラウマセラピー(MB-POTT)』

心的外傷後ストレス障害(PTSD)、いわゆる「トラウマ」のため日常生活を送ることも困難になってしまっている人に、マインドフルネスの手法を組み合わせた治療法。

マインドフルネスを組み入れることで、フラッシュバックを起こしにくくしながらトラウマ記憶と適切な距離を置いて生活できるよう、改善していきやすくなります。

残念ながらMB-POTT を実施できるセラピストはまだほとんどおらず、
本書も治療家向けの専門書ですが、どんな視点と手法でPTSD 患者さんを治療していくかの詳しい説明が載っていますので、関心のある方はご参照。

『さとりをひらくと人生はシンプルで楽になる』

タイトルに「さとり」とありますが、
スピリチュアルっぽい本ではありません。

思考(自我)のせいで意識が過去または未来にばかりさまよい、「今ここ」という、幸福感の源泉から離れてしまっている結果、それが悩み苦しみを生んでいるということを、詳しく述べています。
つまりマインドフルネスこそが、心の安定や充実感、幸福感を得る源なのです。それは原題”The Power of NOW”(「今」の力)に象徴されています。

『<超訳> 引き寄せの法則 エイブラハムとの対話』

世界で「引き寄せの法則」が有名になったきっかけの著書です。しかしスピリチュアル嫌いの人には「怪しい」「頭の中お花畑状態の人たちが信じている説だ」と思われ、またスピ好きな人たちでも、引き寄せの法則の表面的な理解(というか誤解)で実践し「効かないじゃないか!」と見当違いな不満をぶつけたり。
 たしかにこの『引き寄せの法則』シリーズのたてつけは「人類よりも意識の進化した存在が、幸福に生きるためのコツとツールを伝授する」という形になっているため、ここでスピ嫌いの人たちは食わず嫌いで逃げていくのです。
 しかしそうした設定を置いておいて内容を見ると、心理学的に非常に実践的な内容で、読者が自分でメンタル改善をしていくための有効なノウハウが詰まっているのです。
 例えば超ネガティブな感情(おそれ、絶望、無力感)から超ポジティブな感情(感謝、幸福感、愛)までを22段階に分け、その階段を1段階ずつ上がっていくための思考のしかたを、多数の例を挙げて説明しています(これに特化したのが『「引き寄せの法則」のアメージング・パワー』)。
 その他にも「創造のワークショップ」「焦点の輪」など、読者が自分の性格や気分によって選んで使える様々なツールがあり、どれも有効なので、使わない手はないでしょう。
 なお、『引き寄せの法則』の基本と全体像をまず把握するのに最適なのは、上述の『<超訳>引き寄せの法則 エイブラハムとの対話』です。


 

『世界はバランスでできている!』

お金や仕事、健康、人間関係、そしてそれらから生じると考えられている「幸せ」とは何か、どうすれば幸せな人生を歩めるのかのエッセンスを凝縮した本。
 そのエッセンスは「どんな出来事にも良い面と悪い面が同等に含まれており、それを実感をもって理解できたとき、全てに感謝・感動できる幸福な人生となる」というものです。
 この理解を得るための方法「ディマティーニ・メソッド」の初級編用のワークシートも付属しています。
 また特に金銭的課題には『お金に愛される人のルール』、人間関係の掘り下げには『心を知る技術』など、分野別に特化した著作もあります。
 著者は40冊以上の著作が28カ国語に翻訳され、1年のほとんどを世界中で講演して回る活動を30年以上続けています。

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前半記事:前半記事その1前半記事その2:セルフ・コントロール①前半記事その2:セルフコントロール②

後半記事: その1<各改善法の詳細>その2<おすすめ情報源>
その3参考図書②<精神医学・心理学>その3参考図書③<スピリチュアル>その3参考図書④<その他>