なぜ、「塗り絵」で癒やされる?

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もう何年も前から、「大人の塗り絵」が静かなブームですね。
大型書店では、それ専用のコーナーもありますし、
絵柄も花や景色などの他、曼荼羅ばかり集めたものなど、結構ニッチなものも見かけます。

「塗り絵」で癒やされる理由は、既に絵柄が確定しているために、自分が描く絵の出来不出来、特にデッサンや構図の上手下手に無関係に、「好きな色を塗る」という行為だけに集中できるから。

大人になると、それまでの過程で(美術の授業をはじめとして)周囲に批評され、順位づけされ、
しかも担当した先生の価値観や教科書の指導どおりに描かないとダメ出しされるので、
1人で全く自由に描けるはずの場面でも自分で自分につい批判的となりがち。

思い切って、何年ぶりかに画用紙に向き合ってみても
「なんて下手なんだ。とても見られたものじゃない」
「才能もないのに、時間と労力をかけるだけムダ」
という心の声が湧き上がって来て圧倒され、やる気が失せてしまうのです。

本来、絵を描くのは、対象物を観察したり、
自分の心に浮かぶイメージや色などをアウトプットする充実感を楽しむもの。

つまり基本的にプロセス重視のはずなのに、描いている途中から自己批判の声ばかり聞こえてきたら、
とてもアウトプットどころではありませんよね。

その店、塗り絵なら「どの空欄に何色を塗るか」ということだけ考えていれば良いので気が楽、といえます。

更にいえば、癒やし効果を得るには、実際には、絵である必要もありません。

昔から心を落ち着けるための修行の一つとして「写経」がありましたが、
これも「お手本通りに文字を書く」という行為(プロセス)のみに意識を集中するからこそ効果があります。

以前私が相談に乗っていたあるクライアントさんは、趣味でペン習字教室に通いはじめましたが、
文字に集中している時間は、普段自分を苦しめる様々な不安感から距離をおけるため、心がとても落ち着くと言っておられました。

人によってはそれが掃除や鍋のコゲをこすりお落とす作業だったり、編み物だったり、ジョギングや筋トレだったりも。

数年前から和牛レストラン「和牛マフィア」を経営している堀江貴文氏の場合は、肉の下ごしらえである「肉磨き」をしている時が、一番無心になれて良いのだ、とある時発言していました。

「和牛マフィア」HPより。

心の平和を保ち、ひいては健康や人間関係の改善を得るためにも、毎日の生活の中で「今、ここ」に集中する手段を持つことが、とても大事です。

あなたには、どんな方法がありますか?

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ホリスティック(※)精神科医として、できるだけ薬を使わずメンタル改善する方法を様々に模索し、相談者にご提供してきました。このブログではその中でも特にアート(特に絵画療法)のエッセンスを通じてあなたが自己ヒーリングできるように工夫した情報を発信していきます。 ーーーーー ※ホリスティック:「統合的、総合的な」という意味。ここでは薬物療法オンリーの従来型精神医学の限界を突破するために深層心理学、催眠療法(ヒプノセラピー)その他のスピリチュアル、アロマセラピー、そして精神症状を改善するエビデンスのある分子整合(オーソモレキュラー)栄養療法を通じてメンタル不調を改善することを指します。