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休職からの社会復帰に、在宅勤務が有効な理由【在宅勤務を嫌がる人は、人生の可能性を狭めている】
(2022年7月26日追記)
新型コロナとの共存生活に入って2年以上経ちました。
「多人数との密接を避ける」という指導が行き渡った結果と、コストパフォーマンス的判断も加わり、緊急事態宣言が解除されて以降も引き続き在宅ワーク(リモートワーク)が勤務の大半を占めるという会社員も多く見られるようになりました。
おかげで、この記事を書いた2020年2月時点よりも、在宅ワークが「普通」で「現実的」だと受け止められる会社員の人も増えてきました。
これは休職からの社会復帰の足がかりとして有利ですし、とても大事なことです。
下記記事の本文にある、生活上の様々な改善法をぜひ参考にしていただければと思います。
(追記:2021年1月15日)
この記事は当初、2020.2.29.に書いたものです。
その後3月下旬から「緊急事態宣言」が発令され、自粛症例の期間が数ヶ月続きました。
2021年1月15日現在、2回めの「緊急事態宣言」が東京都などに出され、
これまでの1年近くの経緯から、在宅勤務(リモートワーク)がむしろ多数派に近づいているのではないでしょうか。
そういうわけで、今回の記事は「With コロナ」「ニュー・ノーマル」の一環として
そんな時代にスムーズに復職など社会復帰するための助言集として読んでいただけますと幸いです。
長引く不況で、かつてのように
「公務員や一流企業社員にさえなれば一生安泰で、
終身雇用で年齢に比例して給与が上がり、退職金や厚生年金で老後も安心」
という、私たちの親世代の価値観は、全く通用しなくなりました。
2019年時点でもトヨタや日産、三菱UFJ銀行、富士通、
キリン、朝日新聞をはじめ、
日本の名だたる一流企業において次々と、45歳以上のベテラン管理職でも
いきなりリストラされる時代です。
そのうえ何らかのメンタル不調で休職したりしたら、次の社会復帰時には、
今までとは違う仕事へのスタンスや、自己管理法を身につけなくては、
長く生き残っていくのは難しいでしょう。
この記事を読むことであなたは、公務員を含めて誰もが
非正規雇用になりがちな現代に、どのような基準で仕事を選び働いていくかの、
基本的考え方が理解できるようになるでしょう。
在宅勤務への先入観と誤解
うつ病その他のメンタル不調で自宅療養中の人から
「どうやったら復帰できるでしょうか?」と訊かれたり
「どんなタイプの仕事なら、私でも調子を崩さずに続けられるでしょうか?」
と相談を受けることが、よくあります。
そんな時には、過去動画
「うつ病休職から最短で復職するための8つのポイント」 や
ブログ記事 「メンタル不調からの職場復帰のコツ」でも述べたようなポイントをその人の現状に合わせてお伝えしていますが、
最近は転職あるいは社会復帰へのとっかかりとして、
在宅ワークを提案することも増えてきました。
しかしこれを聞いても「それは自分に合っていないと思う」
といって即座に却下し、
具体的な募集案件を調べもしなかったり、一応調べたが
応募してみるまではいかない人が圧倒的に多いです。
まあ、メンタル不調者でなくても、世間一般の人口比でいっても
労働者の9割以上は会社員やそれに準ずる雇用勤務者であり、
ということは
「会社に雇用されて物理的に会社に通い、定期的に給与を受け取る」
という視点でしか仕事というものを捉えないので、
それ以外の形で自分が収入を得られるということが
信じられない、というのがあるのでしょう。
ある人に在宅勤務を提案したところ
「自宅だとついサボってしまうと思う。目の前にベッドなどがあると・・・」
とのことで、障害者枠での軽い仕事を探すことにしたそうです。
もちろんそれも本人の意思なので、何も問題ありません。
ただ、「在宅勤務だとサボりがち」というのは。大きな誤解ですね。
在宅勤務こそ、シビアに評価される
確かにまだきちんと在宅勤務の制度を導入している企業が少ないので
労務管理も現段階では不十分な点もあるでしょうが、
在宅勤務では基本的に時給労働というよりは成果報酬となっていくので、
同じ空間内で自分を監視しサボるのを防ぐ人がいないからこそ、
油断すると期限内に仕事を納品できず、その分、ただちに収入が減る、
というシビアな結果も待っています。
今後業務用の在宅勤務ソフトやシステムが普及すれば、
時給制の部分についても、実際にその時間に特定の
業務用ページにログインし、作業を続けていたかなどが、
デジタルに自動記録されてしまうでしょう。
これはNHKテレビでのある番組で、あるベンチャー企業の社長が
話していましたが、
在宅ワークをする社員にはWEBカメラを配布し、独自開発したソフトを
パソコンにつけさせ、勤務時間にはランダムに自動撮影するそうです。
つまり勤務時間中、実際にパソコンの前にいて勤務していたかを、
全てシステム上で把握されるのです。
これは、オフィスに行ってタイムレコーダーにカードを通すよりも
ある意味、もっとシビアですよね。
つまり在宅ワークは、休むのも勤務するのも
その管理は全くの自己責任になります。
だからこそ、従来からいわれてきたような健全な生活習慣、すなわち
・早寝早起きし
・規則的に、バランスの取れた食事をし
・外出や運動や楽しみごとを毎日の生活に適度に挟んで
気分や意欲、そして集中力を保つ
といったことが、安定的に仕事をこなす上で必須の
自己管理能力となるのです。
また、休職になる人の原因として、
仕事そのものの内容や長時間労働ということ以外にも、
特定の人、あるいは人たちが毎日のように自分に
プレッシャーを与えるから調子を崩していしまった、
という場合もよく聞きます。
その場合にも、最も根本的な改善策とは、自尊心を高め、
理不尽な要求をしてくるような人を ある程度の自信をもって
あしらえるようになることなのですが、
とりあえずは、余計なプレッシャーを与えられる頻度を減らすために
在宅勤務の割合を増やす、というのもありでしょう。
しかし他人からのストレスを受けやすくメンタル不調になりやすい人の
一定割合は、1人になり何でも自己管理する必要が出てくると、
今度はそれをプレッシャーに感じ、不安のあまり目の前の業務に集中できず、
かといって上手に気分転換したり、趣味なり運動なりで
発散する習慣も身につけられてないため
「落ち込んだ。何もやる気が置きない。
ああ、このままダメになっていくんだろうか。
不安だ。死んだほうがましかも」
などと、不毛なネガティブ思考のループにハマってしまい、
身動きができなくなりがちです。
なので、まずは自宅療養中から、自分の生活と心身の健康を維持できるような
スケジュールを定めて、それを実行する、というのを日々続けましょう。
それが、従来の会社勤務でも、転職でも、あるいは在宅勤務を始める場合にも
同じように役立ちますし、必須といえる要素だからです。
自己管理の具体的方法
具体的には、朝といえるような時間に起床し、
毎日20~30分の日光浴を兼ねた散歩、可能ならばその途中で
速歩きやジョギングを挟んで、心身を目覚めさせる。
毎日2食以上は定期的に食べる。
それも、炭水化物や揚げ物中心にならないようにし
タンパク質の割合を増やす。
さらに
毎日、15分からでも良いので楽しみを感じる時間や、
少なくとも嫌な考え事から離れる時間を確保できるように工夫する。
特に好きな趣味などないという人でも、 You Tube で爆笑できるような動画を検索して視聴し、お笑いタイムにするなど、工夫しましょう。
あと、これも毎日、自分の回復について希望をもたせてくれるような
動画も積極的に見て、良い情報を毎日自分に刷り込みましょう。
お勧めは精神科医の樺沢紫苑や廣瀬久益先生などですので
各自検索してみてください。
またマインドフルネス瞑想も、
リラックスし不安や落ち込みを減らすだけでなく、
IQまで上げる可能性があると
最近の研究でいわれるようになってきています。
特にメンタリストDaiGo さんの無料 You Tube でもその辺りのさわりを
紹介しているものもあるので、いろいろ見てみられると良いと思いますよ。
実家療養しているメリットとデメリット
休職を実家でしている人の場合、何でも親にしてもらっていると、
自立する力がなかなかつかず、社会復帰が遅れがちです。
休職に入った当初の1ヶ月程度、寝返りもトイレに立つのも大変という時期は
仕方ないですが、それよりはマシな時期になったら、おっくうでも、
気分がのらなくても、不安でいっぱいでも、それを抱えつつ、
目の前の必要な行動を始めた方が回復が早いです。
特に実家ぐらしの人は家族と同居しているというメリットを活用して、
例えば母親も働いているならば、日中在宅しているあなたが夕飯の材料の
買い出しをするとか、簡単な下ごしらえだけでもやっておいてあげるとか、
毎食後の食器洗いを担当するとか。
洗濯についても最低限、自分の洗濯物は自分で洗い、干し、たたんでしまう、
というのは当然として、余力が出てきたら家族の分も洗濯をしてあげるとか、
リビングや廊下といった共用スペースに掃除機をかけるとか。
こうしたことは面倒だが必ず誰かがやらなければならないことなので、
休職中のあなたがやることで家族を助けられます。
ということは、これ自体が間接的な社会参加になるのです。
と同時に「気が進まないがやるべきことだからやる」という
「義務を実行する意思力」を訓練する手段としてもとても実用的です。
実家という保護された環境下の、簡単なタスクでさえ
自分の意思で毎日のように実行できないようでは、
親しくない人間に囲まれ、お金のやり取りを伴うシビアな
環境の中での労働など、続けられないでしょうからね。
なので、家事や雑用も社会復帰のための大事なリハビリ作業だと受け止めて、
そこでの作業量や頻度を段階的に増やすことで、心身の力をつけていきましょう。
毎日家事や、そのために必要な外出を続けていると、引きこもっているよりも
体力がつくのはもちろん、タスクをこなせたことで少しずつ自尊心も上がり、
そうすると行動力もさらに増えるし、判断力も良くなっていきます。
このように心身のエネルギー量が増えることによって、
実際に復職にチャレンジしたり
そこの環境で過ごすための体力気力が保てるようになるのです。
在宅勤務で人生の選択肢が広がる
在宅勤務が選択肢に入ると、あなたのワークライフバランスについても
多様な可能性が広がります。
在宅勤務なら家賃の高い都心部でなく、
郊外や地方でより広い家に住めるでしょうし、
今後システムが普及すれば海外勤務という選択肢だって
珍しくなくなるでしょう。
満員電車での疲れる通勤や、客同士のトラブルのリスクもなくなりますし、
今回のコロナウイルス騒ぎのような、感染症リスクも避けやすくなります。
無駄な会議や書類作成、お茶出しやコピー取り、はんこをもらいに
社内を歩き回るといったことも不要でしょう。
急な残業や飲み会もなく、育児や介護も
仕事と並行してやりやすくなるでしょう。
このようにメリットが多い在宅勤務。
自分の行動の優先順位を決めて毎日きっちり行動するという意思力は必要
ですが、それを身につければ、人生の自由度が広がりますので、
ぜひチャレンジしてみてくださいね。
健康を維持したり仕事の生産性を上げる時間管理術の情報も、
検索すればいろいろと出てきますので、
自分に合うように取り入れながら改善していきましょう。
<関連動画>
メンタル不調からの職場復帰のコツ
――自宅でできる「リワーク(復職)・プログラム」
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「メンタル不調からの職場復帰のコツ――自宅でできる『リワーク(復職)・プログラム』」https://heart-art.jp/self-reworkprogram
ホリスティック(※)精神科医として、できるだけ薬を使わずメンタル改善する方法を様々に模索し、相談者にご提供してきました。このブログではその中でも特にアート(特に絵画療法)のエッセンスを通じてあなたが自己ヒーリングできるように工夫した情報を発信していきます。
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※ホリスティック:「統合的、総合的な」という意味。ここでは薬物療法オンリーの従来型精神医学の限界を突破するために深層心理学、催眠療法(ヒプノセラピー)その他のスピリチュアル、アロマセラピー、そして精神症状を改善するエビデンスのある分子整合(オーソモレキュラー)栄養療法を通じてメンタル不調を改善することを指します。
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