「悩み相談」が有効な理由


人のメンタル不調の原因の大半は対人関係から来ています。

あなたは、社交的ですか?
本音で話せる相手が、何人いますか?

落ち込みや不安、緊張にさいなまれている人で、相談相手がおらず、気分転換できる趣味等もない人ほど、メンタル不調が進行、重症化しやすくなります。

日本は近年、特に先進国の中で自殺者数がとりわけ多いのですが、その理由として

①コミュニティの弱体化
②人生観の基礎となる世界観(価値観)の欠如

がいわれています。

②については、日本人が無宗教であることが関係していますが、後日取り上げようと思います。

ここでは①についてです。

近年、特にインターネットやスマートフォンが普及し、食事も別々、あるいは一緒に食卓についていても各自がスマホばかり見つめて家族間の会話でさえも乏しくなっている時代。

SNS上では「友だち」が数百人、数千人いることになっていても、本当に信頼できる相手はほとんど皆無。

そんな中で、他人に自分の内面をさらして相談する、ということをとても怖がる人たちが増えています。

その結果、誰にも相談できず、気持ちがどんどん落ち込み

「解決策がない」
「こんな苦しい人生、生きている価値がない」

と、自死を選んでしまう人、あるいは死ぬまではいかなくてもリストカットや食べ吐き、ドラッグやギャンブルe.t.c. といった自傷行為・自滅行動で不安感を紛らわす・・・という対処法しか見いだせない人が、どんどん増えているのです。

心療内科の患者さんたちと話していても、
「家族を含めて、誰にも話していない」
という方が大半です。

その理由を問うと

「話したって、解決するものではない。
だから愚痴ったりして、一時的に多少ストレス発散したって意味がない
「相手に心配(負担)をかけたくない」

とというのが、2大理由ですね。

しかし実際には、誰かに相談したほうが、自分にも相手にもメリットが大きいのです。

なぜでしょうか?

まず「話したところで状況は変わらないから」ということですが、
確かに状況自体はすぐには変わらないでしょうが、
自分の悩みを他人に話すことにより、心の中にわだかっていた不安緊張のエネルギーが少し「ガス抜き」されます。
つまり不安の程度が少し減少します。

不安やそれに伴う緊張が減ると、不安に圧倒されて鈍ってしまっていた思考力・判断力・発想力が回復するので、強い不安で圧倒されていた時には見えなかった方法や視点に気づけるようになることも少なくありません。

そうすると、堂々巡りで出口がないと思っていたところから脱出できる可能性が上がります。

また、すぐさま解決策には至らなくても、改善していくための根気強さや希望、意欲を保つことができるので、結果的に望む方向に進んでいきやすくなるのです。

これは、あるクライアントさん(浜野が継続的な心理カウンセリングを行なっていた頃の方)が話していたことですが、

もうカウンセリングを「卒業」間近になっていたあるとき、しみじみ言っておられたのが
「心さえ元気なら、何だってできますね」
ということでした。

人は自分の外側のもの、つまり「環境、状況」「相手」「お金」といった物事自体が良い方に変化しなければ自分の悩みは改善しえないと思いがちですが、実際は逆で、
まず自分の内面つまり心がある程度落ち着くと、それに伴って必要な判断や行動、根気、アイディアも出てくるのです。

ですから一見、解決策がない、八方塞がりだと感じるときほど、まずはいったんそこから気持ちをそらす、気分転換する、なにがしかホッとするとか面白いとか感じるための時間を確保するよう、工夫してみてください。

心が一段落ち着くと、状況も前ほど絶望的にではない見え方になってきますよ。

それから、あなたが相談すると、相手にも貢献します。

なぜなら、相談された方は
・相手がこのように弱みを見せてくれた
→自分を信頼してくれたということだ
→自分も自尊心が上がる

・相談される=頼られるということなので、
「他人の役に立てた」と感じる

  →これも自尊心が上がる

というわけで、相談をもちかけられた人も
自分の価値が上がる感覚を感じられて、嬉しいのです。

もちろん、相手に頼る程度は、相談者が
常識的な範囲で制御する必要があります。

いくら頼られて嬉しいとしても、あまりにも度々、
しかも深夜とか仕事中とかおかまいなしに言ってこられたら
迷惑以外の何物でもありません。

「頼る」と「頼られる」、これもお互いのコミュニケーションの距離感の取り方の練習の場であり、
試行錯誤の中で上達します
ので、最初から
最適にできなくても良いので、怖れずトライしましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


ABOUTこの記事をかいた人

ホリスティック(※)精神科医として、できるだけ薬を使わずメンタル改善する方法を様々に模索し、相談者にご提供してきました。このブログではその中でも特にアート(特に絵画療法)のエッセンスを通じてあなたが自己ヒーリングできるように工夫した情報を発信していきます。 ーーーーー ※ホリスティック:「統合的、総合的な」という意味。ここでは薬物療法オンリーの従来型精神医学の限界を突破するために深層心理学、催眠療法(ヒプノセラピー)その他のスピリチュアル、アロマセラピー、そして精神症状を改善するエビデンスのある分子整合(オーソモレキュラー)栄養療法を通じてメンタル不調を改善することを指します。