PTSD(心的外傷ストレス障害)にVR(バーチャル・リアリティ)療法が効く?

PTSD(心的外傷ストレス障害)へのVR(バーチャル・リアリティ)療法の効果とは

心的外傷後ストレス障害(PTSD)に対する
仮想現実を用いた治療(virtual reality exposure therapy:VRET)は

「傷ついた体験を、より安全で自己評価を高めやすい
体験を『し直す』ことで、現在の不安や恐怖感、
低下した自己評価を回復させる」
可能性があるため、注目され始めています。

上記研究で使われた物とは別のデバイスのようですが、
折しも「オキュラスクエスト
(https://www.moguravr.com/oculus-quest-information-201908/)

のバージョンアップや、来春以降一般にも普及していくと
される5G通信(現在と比べて100倍通信速度が増す)
のおかげで、冒頭の写真のように

個人でも通販で、数万円から
高機能なヘッドセットを購入でき、

しかも数年前までとは違ってヘッドセットさえあれば
たくさんのケーブルとか
高額で場所をたくさん占拠する機器が不要なので

今後はエンターテイメントのみならず
このような治療目的でも導入を検討される
分野が増えていくことでしょう。

。。。。。。

例えば、マンガ「AIの遺伝子」第1巻第9話
「夢のような母性」では、里親による虐待で
重症を負った少年が献身的な女性教師イメージに
より癒やされ、しかし最後には
その記憶の詳細を消去されて「治る」、
というストーリーが紹介されています。



一見、荒唐無稽なストーリーに見えるかもしれませんが、
ヒプノセラピー(催眠療法)や精神分析療法を長く
学んできた私から見れば十分ありうる流れだと思えました。

人の「記憶」って、想像以上に
客観的な事実とは食い違っています。

たとえ故意ではなくても、本人の思い込みや
恐れ、過去の価値観、前提条件などにより
同じ日時に同じ場所で起きた事象が
各個人の経験としては大いに異なる内容で
「記憶」されていたりします。

いや、違う方がむしろ普通です。

そういうわけで、自身の人生のその後に
悪影響を与えたような経験に関しては、
それを自分がより扱い易い形に修正して
自分の中に「整理し直す」ことが
そのまま「PTSDの治療」になり得ます。

。。。。。。

(今回の記事の元ネタ)
中国・安徽医科大学のWenrui Deng氏らは、
PTSD患者に対するVRETの有効性を調査し、メタ解析を行なった
(Journal of Affective Disorders誌2019年10月1日号の報告)。

それによると、以下のように効果が確認された:
①不安のみならずうつ状態にも有効であった。
②長期(3~6ヶ月経過後)も有効性が持続。
③VRセッションを多く経験した人ほど効果も高まった。
④ただし戦争関連PTSDでは効果不確実性が見られた。

<原著論文>
Deng W, et al. J Affect Disord. 2019;257:698-709.

 

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ホリスティック(※)精神科医として、できるだけ薬を使わずメンタル改善する方法を様々に模索し、相談者にご提供してきました。このブログではその中でも特にアート(特に絵画療法)のエッセンスを通じてあなたが自己ヒーリングできるように工夫した情報を発信していきます。 ーーーーー ※ホリスティック:「統合的、総合的な」という意味。ここでは薬物療法オンリーの従来型精神医学の限界を突破するために深層心理学、催眠療法(ヒプノセラピー)その他のスピリチュアル、アロマセラピー、そして精神症状を改善するエビデンスのある分子整合(オーソモレキュラー)栄養療法を通じてメンタル不調を改善することを指します。