目次
マインドフルネス瞑想を活用できない人とは
うつ、不安、不眠といったメンタル不調に対して
運動と同様に高い有効性が示されているのが
「マインドフルネス瞑想」です。
しかしこの活用法を正しく知らないせいで上手くメンタルを
改善できず、自信をなくしてしまう人も少なからずおられます。
今回の動画を見ることであなたは、
マインドフルネス瞑想を日常生活の中で無理なく取り入れて
自分のメンタルを着実に上向けていくコツがわかるでしょう。
マインドフルネスを活用できない人の特徴:すぐに効果を求めすぎる【少なくとも2~3ヶ月はかかることが多い】
ここ1~2年で、You Tube などで発信される機会が増えているのもあってか、マインドフルネス瞑想をストレス対処スキルとして
取り入れ始める人も増えてきていますが、
残念ながら取り組み方が間違っていたり、そもそも
心のトレーニングということについて勘違いしている人も
まだまだ多く、そのためせっかくのツールを活用できず
宝の持ち腐れ状態にしてしまっている人もたくさんいます。
上手くいかない人たちに共通している認識というか、
思い込みがあって、それは
「この方法を1回とか数回も行えば、すぐに
メンタル状態が改善し、スッキリするはずだ」
と思っている点です。
確かにメンタル不調はほどんとの場合、それまで自分が
知らずしらずのうちに抱いてきたネガティブなものの見方や
人に対する不信感から来ていて、
それを修正していくことでメンタルは改善できるのですが、
それにはある程度の時間と手間はかかります。
たとえばそれはダイエットをするときと同じです。
太り過ぎなら、いつも食べている食事の内容と量を把握し、記録し、
食事の内容や量を変えていく必要があります。
端的にいえば、痩せたいと思えば、摂取カロリーを減らし
運動などで消費カロリーを増やす、といったことが基本ですね。
それなのに
「いや、自分はお菓子もご飯も大好きだから減らせない。
他の方法を教えてほしい」
といわれても難しいですし、
食事の改善を数日試しただけで
「やせないじゃないか。この方法は効果がないんだ」
と主張したとしたら、それはその食事法が間違っているのではなく
取り組み方が不徹底だった、という結論になるでしょう。
メンタル改善も同じです。
痩せたり筋肉をつけるには最短でも数週間、大概は数ヶ月以上の単位で
訓練を続け、それを維持していいくことが必要なのは
みなさんはもう、常識として受け入れているでしょうが、
ことメンタル改善法については、なぜかまだまだ
安易に捉えている人の方が多いようです。
つまり、1回とか数回、教えられた手法を実行したからといって
すぐに目に見える効果を感じられることの方が珍しくて、
実際には8週間から12週間は、最短でもかかることが多いです。
しかもこれは、短時間でも毎日実行した人の場合です。
それから、メンタル改善の自己訓練法において
多くの人がやりがちな間違いは
「今日は落ち込んでいるから、おっくうでだるいから、
不安で集中できないから、練習はできない」
という考え方です。
メンタル改善のために訓練しているので、
メンタルが不調なときほど、率先して実行する必要があります。
特に現代人が感じる疲労感とか疲れや身体の痛みや凝りといった
諸症状の大半は明確な身体的な異常が診察や検査で見つけられません。
それは痛みや疲労といった、身体症状の形をとっていながら、
実際には脳疲労、いいかえれば精神の慢性的な緊張や不安が
続くことによる症状だからです。
典型的なのが、慢性的緊張による
腹痛や下痢、頭痛、めまい、肩こり、腰痛、しびれ感などです。
胃痛、吐き気、動悸や呼吸困難感なども多いですね。
こうした症状が通常の診察や検査で異常が見つからず
精神的な原因が主だと思われる場合、
いくら鎮痛剤や胃腸薬などを使っても効果は出ません。
それよりも、そうした身体症状の根っこになっている
精神的な原因を見つけ、理解し、
1つ1つ対処していく必要があります。
精神的な原因とは、多くの場合は
・対人ストレス
・自分の能力や性格に対する低い自己評価
・過去への後悔や恨み、未来への不安や恐怖感
です。
なのでこれらの内容について一つ一つ細かく見ていき、
自分が受け入れられる形に修正していくことで
ストレスを減らしていくことが必要となります。
独学では難しそうなら、
専門家の手を借りよう
で、自分一人ではそうした重い課題について
どう手をつけて良いのかわからない、という場合には
心理カウンセラーなどに1~2週間に1度、数ヶ月以上の単位で
継続的に相談し、自分の考え方の偏ったクセを指摘してもらうことで
より中立的な形に修正していくことが必要です。
それは、例えばゴルフを始めた人が、我流でやって
ある程度以上はのはや改善できないと感じたら
定期的にレッスンプロにコーチングをお願いして
自分の姿勢や打ち方のクセや歪みを指摘してもらい、
しかも何度も何度も注意してもらって初めて自分でも
直せるにようなるのと一緒です。
それでも結局は
「自主練」が成果を出す
ただ、カウンセラーに毎週相談する場合であっても、
1週間7日のうち6日は自分一人です。
つまり結局は、自分一人での自主練をどの程度継続できるかで
メンタル改善という成果を手に入れられるかが決まるのです。
例えば私は、うつ病などで休職中の会社員の人に
自宅でできるストレス緩和法としてマインドフルネス瞑想を
よく勧めています。
これは「瞑想」という名はついていますが、別にスピリチュアルではなく、
普通に心理的に説明できる、ストレス低減スキルです。
具体的には、例えば
毎日複数回、1回3分間からで良いので自分の呼吸の感覚そのものに
意識を集中する時間をとる
とか、
家事や雑用、あるいは歩くときに、その行為そのものに集中する。
つまり、余計な思考に頭を奪われて「上の空」にならず
目の前の、今やっている行為に100%意識を向ける、というものですが、
これを中途半端にしかやらないと、成果が出ないので、
いつまでも復職できません。
あるいは、無理に復職したとしても、休職時と違ってリアルな
社会的ストレスがまた自分に降りかかってきたとき、
休職中にストレス対処スキルを十分身につけてこなかったために
またダウンしてしまい、再度の休職になってしまします。
これでは、ますます自信を失ってしまうでしょう。
なので、休職中など職場ストレスから離れているうちに
毎日マインドフルネスの訓練を続けて
ストレス対処スキルを上達させ、それによってストレス耐性を強める、
というプロセスがどうしても重要なのです。
マインドフルネスを自分一人で実行し身につけるためにお勧めの本を
2冊ほど、記事末尾に貼っておきますので、
やってみようと思う人は参照してくださいね。
なお、ことさらマインドフルネス瞑想用の教材を使わなくても
マインドフル状態になる、つまり余計な不安思考に注意を奪われず
目の前のことに集中できるようになる人もいます。
それは彼らが直感的に、マインドフルネス瞑想と同じ意識状態に
なれるような活動を日常に取り入れているからです。
例えばペン習字のワークブックで、お手本を一心に書き写す作業に
集中することで心が安定すると自覚した人がいます。
塗り絵や編み物をしたり、鍋の焦げをきれいにこそげ落とす作業に
集中して、同様の効果を感じた人もいます。
趣味のボルダリングや、かなりきつい筋トレやワークアウトを
週何日か入れて、そこに集中する時間をとっている人もいます。
このように、活動内容は何でも良いのですが、
とにかくその作業中はそのことだけに集中する、
という練習が必須なのです。
これにより、余計な不安思考に心を奪われる時間が減り、
それによってメンタルが改善するからです。
マインドフルネスを
活用できなかった事例1
逆に、せっかく運動や瞑想をしたのに
効果が出づらい人は、ネガティブ思考から意識を引き離すことが
十分徹底できていないために、身体症状も精神症状も続いてしまいます。
例えば、こんな人がおられました。
その人は学生だったのですが、
「自分がちゃんと進級できるか」とか
「学校を卒業後、ちゃんと食べていけるだろうか」
とかを、常に考えてしまっているのです。
本人は打てる対策は既にやっており
目先、そんなに心配する必要のない状況なのに、
常に心配することが習慣化してしまっており、
このために慢性の肩こり、筋肉痛、めまい、頭痛、
そして不眠を訴え続けておられました。
いくら睡眠薬や精神安定剤を処方しても、1週間しか効果はもたず
「もっと強めてほしい」と毎回希望されます。
しかし一定以上強めてもかえって朝が起きられなくなるとか、
日中だるくなるという副作用が出るだけですので、
一定以上強めるわけにはいきません。
この方も深呼吸や運動も本人なりにはがんばったのですが、
体力の限界に近づくほど激しく運動している数分以外は
常に常に不安な思考をしてしまい、このためせっかくの運動や
マインドフルネスの効果がほとんど出なくなっていたのです。
これは、車でいえばアクセルで前に進みたいのに
いつもブレーキも踏んでいるので前進できない、
というのと同じ状況です。
前進するためには、まずは思いきってブレーキから足を離す、
つまり心配ごとを考えないという練習を徹底して訓練するほかには
効果を出すことはできないのです。
マインドフルネスを
活用できなかった事例 2
またある別の会社員は、前に勤めていた会社に
不当な扱いを受けたと感じており、
そのことを現在も恨んでいます。
この恨みと怒りが、この人の慢性の肩こり・頭痛・不眠の
根本原因であることは、客観的にみれば明らかなのですが、
ご本人は
「いや、相手が悪いのだから怒りを感じるのは当然だ」
というスタンスを手放すことができず、
このため、心身の不調という結果を
自分で引き受け続けなければならなくなっている状態です。
こういうわけで、過去や未来に何があろうと、
他人や環境がどうであろうと、
大事なのは、自分自身の心を落ち着かせ、安定させるスキルを
毎日練習して身につけることなのです。
もしもあなたが「これまでいろんなことを――
例えば認知行動療法とか、瞑想とか、運動とか、いろいろ
試したけれど、どれも上手くいかなかった」
と感じているならば、それら1つ1つの方法への
取り組み方が十分でなかったのでは、
と考えてみることが重要です。
特にマインドフルネス瞑想や運動療法は自宅で自分一人でも
できることですから、今日からでも毎日、
ぜひ生活に取り入れていってくださいね。
<関連図書>
『うつのためのマインドフルネス実践』(誘導CDつき)https://amzn.to/3etyg2m
『なまけ者の3分間瞑想法』https://amzn.to/2Vo8nbv
<関連記事>
「マインドフルネス(今ここに集中)」ができる人ほど、どんどん幸せ感を感じられるようになる【毎日その工夫をしよう】
【Q&A】マインドフルネス(今ここに集中)V.S.「将来への計画性」の違い
なぜ「塗り絵」で癒やされる?
「認知行動療法やカウンセリングを受けても改善しない人が多い理由」
(動画版)https://youtu.be/hCefBT-0ChQ
ホリスティック(※)精神科医として、できるだけ薬を使わずメンタル改善する方法を様々に模索し、相談者にご提供してきました。このブログではその中でも特にアート(特に絵画療法)のエッセンスを通じてあなたが自己ヒーリングできるように工夫した情報を発信していきます。
ーーーーー
※ホリスティック:「統合的、総合的な」という意味。ここでは薬物療法オンリーの従来型精神医学の限界を突破するために深層心理学、催眠療法(ヒプノセラピー)その他のスピリチュアル、アロマセラピー、そして精神症状を改善するエビデンスのある分子整合(オーソモレキュラー)栄養療法を通じてメンタル不調を改善することを指します。
コメントを残す