認知行動療法やカウンセリングを受けても改善しない人が多い理由

メンタル不調を改善するために心療内科を受診し抗うつ薬などの薬物療法に頼る人も多い一方で、薬害を恐れて自分で何とかしたい、という人も多いですね。

それでも、心理カウンセリングが健康保険が使えないとわかった途端に断念してしまい、かといって積極的に書籍や動画で自分で情報収集やそれに基づくスキルトレーニングをしようとまでは思えない。

そしてなんとなくふさぎ込んだままあるいは過食嘔吐やリストカットなどの自傷行為、またはギャンブル・買い物・ドラッグ・アルコールなどに依存することで紛らわせて過ごしてしまう人も、結構おられます。

何パーセントかの人はそれでも心理カウンセリングを、しかも定期的・継続的に受けて、ある程度改善された経験を持つ方もおられます。

それでもそうした人さえも、ある程度経つと「もうわかった」と思ってしまい、定期カウンセリングを受けなくなりがち。

本当の意味でカウンセリングを「卒業」した人、つまり日々遭遇するさまざまなストレスを、カウンセリングの中で学び身につけたスキルを活用してもう自分で乗り越えられ得るレベルにまで至った人は、もちろん良いのです。

しかしかなり多くの人は、定期的なカウンセリングのおかげで――つまり定期的にカウンセラーにサポートを受けることで何とか精神安定を得ていたのに、そのことを十分認識できておらず、
したがってカウンセリングを止めて半年から1年もするといつのまにか昔の自分(万事ネガティブな受け取り方をしてストレスを高めてしまい、心身の不調を招く)に逆戻りしているパターンがよく見られるのです。

そして残念なことに、そういう人は「あんなに長くカウンセリングを受けたのに、本当の意味では役立たなかった」と認識してしまうことが多い。

実際には「カウンセリングで教わった物事の見方や考え方(=認知のしかた)がまだ十分身についていないうちにカウンセリングを離脱してしまったこと」が問題なのに、
カウンセリングを無効だったと判断することで、今後自分を良くできる方法を1つ、捨ててしまったことになるのです。


先日も、数年ぶりにメンタルクリニックを受診したという患者さんとお話したのですが、
その方は他院にて、月1~2度、かつ2年くらい継続的な心理カウンセリングを受け、当時はだいぶ良くなったそうです。

しかしまたパニック症状などの不安や落ち込みが強まって来たので来院されたとのこと。

お話をうかがい、この方の場合は心理カウンセリングメインでやっていくのがやはり適切だと思われたのでそうお伝えしたところ、
以前カウンセリングを受けたときのことを思い出して最近も自分で対処しようとしたが上手くいかなかった、とのことでした。

そこで具体的にどんなことにどのように対処したのか確認すると、長くカウンセリングを離れていた間に、カウンセリングで受けた助言や理解をかなり忘れたり曲解しておられたことがわかりました。

例えば「毎日、その日あった良いことや感謝できることを3つリストアップして書く」という課題を、その方も前のカウンセラーから助言されたそうなのですが、今回自分で再開する際には「3つ」という点を忘れ、1個のみ。

しかもその1個さえなかなか見つけられず、悪いことばかりいくつも思い出す、という状態に後戻りしておられました。

また、せっかく良いことがあっても、
メンタル不調を最も招きやすい考え方である「このくらいは当たり前をまた毎日思うようになってしまい、自分がすでに手にしている恵まれた点が目に入らなくなっていました。

この方にはそうした説明をし、再度初心に返って、地道に「良いこと日記」をつけることを助言しました。


「良いこと日記」をつけるメリットは、大きく分けて2つあります。

(1)外部に出して自分に「見える化」できるので、
客観的に見やすくなり、理性的な判断力がつく。

→自分の頭(心)の外にいったん出すことで気が済み、同じ考えや記憶の中で堂々巡りしなくなる。

(2)書くことで忘れにくくなり、かつ何度も読み返せるので、

①自分の改善を確認しやすくなる。

記録していなければ「いつまでも不調を繰り返している」と思っていても、よくよく記録を見ると、少しずつでも改善(症状の程度が軽くなっている、回復までの期間が短くなっているなど)を確認しやすくなる。

②次回の不調を予防しやすくなり、
不調になった時にも、前回と比較しての要因や症状の程度などを比較でき、より早く改善しやすくなる。


例えば

・自分の不調を引き起こすパターンが「適度に手を抜いたり気分転換せずに頑張り過ぎて不調になる」なら
→「明日できることは今日やらない」と決めて今日は休むことを優先する

・「やるべきこと」ばかり優先し「やりたいこと」がわからなくなり、意欲が落ちて気分が落ち込むなら
→ささいなことでも良いので一日最低1回は「楽しい」「面白い」「リラックスできる」「癒やされる」「美味しい」「気持ちいい」ことを経験する時間を確保する。

・好きでもない人に合わせることでストレスがたまって不調になるなら
→本当に大切な人数人だけを選び出し、他の人達には嫌われても構わないと割り切り、付き合いで過ごす時間をカットする。

などが考えられるでしょう。

自分の心身の大切なエネルギーを奪うのは環境や他人そのものではなく、環境や他人をあなたがどう認知するか(どう受け止め、解釈するか)によります。

つまり、思考の「生活習慣」といえます。

習慣は、日々新たな、より良い習慣を繰り返すことでのみ、「上書き」されます。

どんな習慣の上書きでもそうですが、最短でも3ヶ月間、毎日続ける必要があり、この期間はあらゆる手段を使って継続する工夫が必要です。

でないと、まだ習慣化していないので、あっという間に忘れ、元の木阿弥になってしまいます。

新しい習慣を忘れないための工夫の例:
とにかく、毎日何度も思い出さざるをえないようにもっていきます。例えば…

・スマホの待受場面に画像やテキストで載せておく。
・WEBカレンダーやスケジュール表に、「毎日繰り返す」設定で記入しておく。
・そのタスクがリマインダーメールとして毎日複数回自分に送られてくるように設定しておく。
・トイレや玄関ドアの内側など、毎日必ず目がいく場所にタスクを書いた紙を貼っておく。


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ホリスティック(※)精神科医として、できるだけ薬を使わずメンタル改善する方法を様々に模索し、相談者にご提供してきました。このブログではその中でも特にアート(特に絵画療法)のエッセンスを通じてあなたが自己ヒーリングできるように工夫した情報を発信していきます。 ーーーーー ※ホリスティック:「統合的、総合的な」という意味。ここでは薬物療法オンリーの従来型精神医学の限界を突破するために深層心理学、催眠療法(ヒプノセラピー)その他のスピリチュアル、アロマセラピー、そして精神症状を改善するエビデンスのある分子整合(オーソモレキュラー)栄養療法を通じてメンタル不調を改善することを指します。