2000年代に入り、心身連動の研究が進むにつれ
「全く運動しないのは、『うつになる薬』を毎日のんでいるようなものだ」
ということがわかってきました。
目次
まずは日常生活での運動量を上げる、と意識しよう
運動療法といっても、何も特定のスポーツをしたり
ランニングをしなければならない、ということではありません。
あとで詳しく述べますが、
・日常生活での活動量を増やす
・速歩きから始め、少しずつジョギングをはさむ形で
インターバル的にちょっと強い負荷を上乗せする
・簡単で小さな負荷からの筋トレ
この程度からでも、十分効果があります。
なぜ運動がメンタル改善に有効かというと、
以下の理由があります。
・たとえ短時間でも、息がはずむ、汗ばむレベルの運動をすることで
全身の血流が増えて、脳を含めた体内の血のめぐりが良くなるので
身体が暖まると同時に、自律神経がリラックスモードに
入りやすくなり、その結果、過度な慢性緊張が減る。
・運動を継続していくうちに、脳神経を活性化させる
BDNF(脳由来神経栄養因子)が分泌され、
脳神経が活性化される。
この結果、思考力や判断力が改善し、過剰な不安や
落ち込みに悩みにくくなる。
・息がはずむくらいの運動や、自分の姿勢に注意する
必要のある筋トレをしている間は
習慣化してしまったネガティブ思考から離れていられる。
その結果、不安や落ち込みにハマりにくくなる。
日常生活の中でできる、運動量増強法
では、具体的にはどんな運動をすれば良いのでしょうか?
まずは、日常生活の中で行う動作を、極力運動量を増やすように
意識し工夫しましょう。
たとえば
・駅やビル内の移動ではエスカレーターやエレベーターを
使わず、階段を使う。
・自宅や会社の最寄り駅往復を、速歩きする。
・いつもより一駅手前で電車を降りて、目的地まで歩く。
・車や自転車で移動していた所を、可能な範囲では歩く。
・日に数回、10回ずつでもスクワットする。
例えばデスクワークを1時間やった後、
歯磨きの前、トイレ後、入浴前、お茶を入れる前・・・
といったタイミングを決めておき、
1日合計数十回のスクワットを目指すのも一法です。
・立ってできることは立ってやる。
例えばテレビを見る、ヘアドライヤーをかけるのを
座ってやっていたなら立ってやる。
特にテレビやネット動画視聴時間は筋トレの時間と決めて
筋トレやストレッチをやりながら見るのはおすすめです。
ある程度気力・体力が回復し、社会復帰に向けて
さらに体力を維持して行きたい人には、
勉強する時もスタンディングデスクがおすすめ。
コロナでリモートワークをする人が増えましたが、
オフィスワーク用でない椅子で腰や背中を痛め
良い椅子に買い直した人も多いそうですが、
立っていれば椅子も不要です。
「疲れるでしょ!」と思われるでしょうが、
意外と大丈夫です。
私も個人事業主として、日中何時間も
机に向かって原稿を書くなどの作業をしますが、
椅子に座っていた頃よりも腰や背中や肩が痛くならず
仕事がはかどります。
もちろん立つようになって最初のうちは
すぐ腿やふくらはぎ、腰、背中がだるくなる気がしましたが、
それも10日前後でなくなりました。
現在は、何時間も椅子に座っていなくてはならない
診療日のほうが、身体がだるくなり
疲れやすいと感じます。
「いきなりスタンディングデスクに買い替える余裕はないよ!」
という人も、大丈夫。
通常の机の上に乗せて高さ調整できるタイプのものもあり、
私自身もこれを使っています。↓
Viozon⾼さ調整可能 昇降式スタンディングデスク
どんな筋トレが良いか
スクワット、ストレッチ、ラジオ体操
これは各自の体力や年齢などによりますが、
まずはスクワットや全身を丁寧に回したり曲げ伸ばしをするなどの
いわゆるストレッチからで十分です。
現在はYou Tube などでいろんな人が
音楽に乗せて、楽しいストレッチや筋トレの動画を
配信していますから、自分の体力や興味に合った
ものを選び、毎日行うと良いでしょう。
その際のポイントは、表面的な動きだけで
チャッチャと真似せず、しっかりと伸ばすところは伸ばす、
曲げるときはしっかりと曲げる、
今動かしているのは身体のどこの部分なのかを
ちゃんと意識して行うことです。
そうすると身体への負荷も最大になるだけでなく、
身体に意識を集中することで
毎度のネガティブ思考から離れる時間を作ることができ、
その結果として精神状態も改善しやすくなるからです。
ラジオ体操だって、第1と第2をきちんと
意識的に行うと、結構息がはずみますよ。
もっとも、集合住宅ではなかなか思い切って
跳躍とかはしづらいですよね。
HIIT
HIIT(高強度インターバルトレーニング)は
わずか数分間で心拍数が上がり息もはずむ
いち押しの運動法です。
ランニングなど一般的な有酸素運動では、
やり過ぎると体内の炎症反応を強めてしまい、かえって疲れやすくなったり筋肉が落ちてしまうなどの弊害がありますが、
HIIT は体内の炎症を減らします。
このおかげで身体の各種生活習慣病やその予備軍の症状、
原因不明の不快感や痛みといった不調を改善できます。
しかしHIIT の素晴らしいところは、メンタル改善も進む点です。
これは運動により脳への血流が増すこと、それにより脳が酸素や栄養素を受け取るだけでなく、脳の炎症も減らせることによると考えられます。
つまり意欲や集中力を増す一方、不安や緊張、うつ気分は減らしてくれるのです。
集中力が増すと目の前のことに対する認知力や記憶力・判断力も上がるので、
結果的に仕事や勉強の生産性も上がります。
慢性的な不安も軽減するので、対人関係ストレスも減りやすくなります。
しかもきちんと実施すれば、
初回から爽快感や安定感を感じられることが多いのです。
ただ、一般的なHIIT メニューはジャンプを繰り返すので
集合住宅では気がひけることでしょう。
しかしそこはもう、工夫した発信者たちが
しっかりいて、ジャンプなしでも
同等に負荷が得られる改良版のHIITもあります。
例えばこれ。
(主に女性向け)
【4分だけ】マンションでも!有酸素より効率よく脂肪を落とそう(HIIT)
【地獄の4分】マンションOK!飛ばないHIITトレーニングで全身の脂肪をごっそり燃やす!短時間の脂肪燃焼筋トレでダイエット!家で一緒にやってみよう
(主に男性向け)
【静かにできる】HIITトレーニング。(マンション用)1日10分の筋トレ。
ただしHIIT 動画の多くは20~40分程度の時間をかけてしっかり身体を追い込むメニューとなっています。
これは女性ならダイエットを、男性なら筋肉をつけることをうたった動画の方が再生回数が伸びるから、という配信者側の事情があるからでしょう。
しかし実際には、元来のHIIT は最短4分からでも十分効果が得られます。
その辺りの事情、すなわち
・なぜHIIT が心身の健康度改善に大きな効果があるのか
・多彩なHIIT メニュー(高齢者でも内臓脂肪減や糖尿病改善、認知機能改善が可能なものなど)
など、論理的な背景を学んでモチベーションにしたい人は、
メンタリストDaiGo の以下の動画などがお勧めです。
その他、ボクササイズやダンスなど、ご自分が興味をひかれ
続けたいと感じたものなら何でも良いので、
とにかく毎日の生活習慣に組み入れましょう。
継続のコツ
その際のコツは、やるタイミングを決めてしまうことです。
たとえば
・休日の朝、洗面と着替えを済ませたら
・帰宅後、入浴の前に
・(リモートワークなどで)午前の仕事が終わり、
昼食を食べる前に
など。
でないと、ついつい面倒になって先延ばしして
結局やらずに済ませてしまうとか、
忘れてしまう、といったことになりやすいですから。
「まだそこまでの体力気力はない、
動画でないものを見ながら、マイペースで
少しずつ取り入れたい」
という人には、これがおすすめ。↓
ホリスティック(※)精神科医として、できるだけ薬を使わずメンタル改善する方法を様々に模索し、相談者にご提供してきました。このブログではその中でも特にアート(特に絵画療法)のエッセンスを通じてあなたが自己ヒーリングできるように工夫した情報を発信していきます。
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※ホリスティック:「統合的、総合的な」という意味。ここでは薬物療法オンリーの従来型精神医学の限界を突破するために深層心理学、催眠療法(ヒプノセラピー)その他のスピリチュアル、アロマセラピー、そして精神症状を改善するエビデンスのある分子整合(オーソモレキュラー)栄養療法を通じてメンタル不調を改善することを指します。
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