不眠を認知療法的に治すには

不眠を認知療法的に治すには【行動療法だけでは効果不十分?そんな人に】

前回の記事「不眠解消法を自分で身につける動画
では、まず「昼行性動物である人間」の
進化の歴史を理由にとして、主に
バイオリズム(起床ー活動ー就寝ー睡眠)
を整えることを強調してきました。

これだけでも多くの人が眠りやすくなり
睡眠の改善に伴ってメンタル面も自然に
楽になっていくのですが、

一方で「日中行動して、
確かに以前よりも夜の眠気が
早く来るようになったが、

やはりいざ床に就くと、あれこれ
頭の中で考えてしまい、そうすると
目が冴えてしまって寝付けない

という方も、一定割合おられます。

今回の動画&記事は、そうした人のためのものです。

ベッドであれこれ考えないためには
【意識が思考に向かないようにする必要=注意を外にそらす工夫】

過去の記憶や将来への不安などは全て、
自分の頭の中の思考にふけることから生じます。

そしてこうした不安等のネガティブ感情は
神経を高ぶらせるので不眠の要因に。

スムーズに深く眠りたければ、神経を高ぶらせない、
リラックスさせる、以下のような工夫が必要です。

1)「ベッドは眠るための場所」と脳に条件づける

これは前回の動画「不眠解消法を自分で身につける動画
の行動療法的要素の補足ともいえますが、
床についてからも読書したり、
スマホなど光る画面を見る(これは更に悪いです)と
神経は興奮し、眠りを邪魔します。

なので

・本当に眠くなった時になって初めて床に就く
・横になって閉眼し、30分しても寝付けないようなら
 いったん起き上がってアナログな活動
(家事、雑事、ストレッチなど、
 デジタル画面を見ずに済む行動)をする

ようにしましょう。

2) 気を外にそらすための低刺激音声を聴く

こちらは動画には収録していない、追加情報です。

床に就いてから頭の中であれこれ考えるのを減らすためには、
無関係なことに意識を向けるのが一番手っ取り早いです。

このためには
①好きな音楽でゆったりしたものを低い音量で聴く

昔なら深夜ラジオやCDでしたが、今どきなら
You Tube をはじめとするスマホの動画サイトでしょうね。

ただし、ベッドに入ってからBGMを探し始めると
明るい画面で脳神経が興奮するのに加えて
ついつい気になる他の動画をタップしたくなって
しまうでしょうから、別の対処法が必要。

具体的には、昼間の時間のあるうちに、
「夜中の不眠時に聴く音楽」を「再生リスト」
として予め作っておくことです。

リストを作るまでするのは面倒、あるいは
やり方がわからないという人には
以下のチャンネルがお勧め。

Healing Sound JAPAN」で、自律神経や
DNA にまでエネルギー的に良い影響力を及ぼす
という「ソルフェジオ周波数」を組み込んだ
各種BGMを多数アップしています。

広告も、冒頭でだけ流した後はBGMを
中断することがないよう設定されている
そうなのも安心ですね。

以下は一例です。

②メンタリストDaiGo のアプリ「マインドシャッフル

ランダムな単語を継続的に聴くことで
余計な思考から意識をそらせ、入眠しやすくするしくみ。

カナダのサイモン・フレーザー大学の
認知科学者リュック・ボードウィン博士が
開発した方法をDaiGo 氏と弟が開発したものです。
アプリはiPhone 、アンドロイド共にあります。

不眠の認知療法的対処法

さて環境面を整えたところで、
ここからはいよいよ、不眠時にどう考えたら
気が楽になり、神経の高ぶりを鎮め、
眠りに入りやすくなるかの方法です。

1)「超短時間睡眠」という緊急装置があることを信頼する

「もう何日も、何ヶ月も一睡もしていない」
と主張する人がおられますが、それは人間という
動物には無理な芸当です。

ちょうど水分ゼロではせいぜい3~4日で
脱水のせいで死んでしまうように、
全く不眠の状態では3~4日もつかどうかが限界です。

(記録の残されている実験では最長十数日間の
断眠実験が行われていますが、いずれも1960年前後のものであり
脳波計も装着せず、目視による観察のみで
リアルタイムでの詳細な睡眠深度も調べられてはいなかった
ことから、マイクロスリープ[下記に解説しています]
があっても見逃されていたと思われます。)

実際、同居人がいて、相談時にも同伴して
来ている場合、本人の訴えとは裏腹に
「結構、寝息を立てて(あるいはいびきをかいて)寝ていたよ」
とその場で指摘されることも珍しくありません。

本人の主観(自覚)としては「全く眠れていない」
と感じても、生命体の維持に睡眠は必須なので、
身体はどうしても必要時には秒単位での
「強制的寝落ち」を実行します。

よくあるのが、授業中や会議中に首がガクッと下がるとか、
満員電車でつり革に掴まりつつでも
ウトウトする経験ですね。

あのような時の睡眠を「マイクロスリープ
(直訳するなら「超短時間睡眠」)といい、
身体が勝手に行なうものです。

もちろん、死なないための必要最低限の
長さと質の睡眠なので、
「熟睡した」「寝足りた」とははるかに遠い満足度です。

それは食事でいえば、そこそこ美味しい食事と
ただ生き延びるための「餌」のような食事での
満足度の違いと同じようなものです。

生物的には、例えば
・生のサツマイモを皮ごとかじる
・海から釣ったイワシを、たださばいてかぶりつく
ようなもので、味も風味も食感も、
全く満足のいくものではないでしょう。

しかしそれでも生物としてはとりあえず生きながらえますし、
何週間も絶食した後にようやくありついた食材だとしたら
これでも喜んで口に押し込むでしょう。

同じようにマイクロスリープも、全く満足感は
ないものの、これで脳と身体の最低限の睡眠は
確保できているのだ、と信頼しましょう。

それにより、「睡眠不足でダメになる、どうしよう」
という自らのネガティブ思考で自分にさらに
ストレスをかけるのを防ぐことができるのですから。

2)「睡眠不足状態であっても明日も何とか乗り切れる」と言い聞かせる

寝付けない、あるいは夜中に目が覚めてしまった時に
自分を追い込む人の典型的な思考

「ああ、もう●時になってしまった。
このまま眠れなかったら、明日が
睡眠不足で辛くなるだろう」

「明日は忙しい/大事な予定がある のに、
睡眠不足では上手くこなせず、
何かひどい結果になるのでは」

といったものです。

確かに、十分眠れた翌日よりは
疲れやすいし、ベストパフォーマンスは
できにくいでしょう。
それでも多くのことは、何とかこなせるものです。

ある日のパフォーマンスがベストでなかった
からといって、直ちに人生の破滅につながる、
という状況は、そうそうありません。

確かに受験とか、ここ一番と思って
準備してきたオーディション本番の日だ、
となれば、確かに特別な日でしょう。

しかしそれでも、いやだからこそ
「このまま眠れなかったらおしまいだ~~」
という思考で自分を追い込むとますます
神経を高ぶらせ、なおさら不眠を悪化させるだけ。

ならば少しでも神経をリラックスさせる考え方や
対処法に全力で集中して、起床時間までを
有効に過ごした方が良いですよね。

なのでそのためには、上述 1)2)のように
自分に言い聞かせることに集中しましょう。

これにより、
「眠れなかったらどうしよう」
「睡眠不足のせいで明日●●が上手くできなかったら
上司に嫌われて、そうしたら近いうちにリストラされて、
露頭に迷ったらどうしよう」
などの、無駄な思考にエネルギーを奪われにくくなりますから。

3)睡眠不足状態のおかげで得られているメリットを意識する

睡眠不足は嫌なものです。
疲れてだるいし、上手く考えられないし、
ちょっとしたことのパフォーマンスも上がらないし、
そうしたことから、なおさら自尊心も低下し
将来への不安も増してしまいがちでしょう。

しかし物事には必ず、長所と短所が一緒に存在します。
今回の「睡眠不足でつらい」という状態にも
以下のようなメリットがあることに気づきましょう。

・本当に必要なタスクのみに集中し他を捨てる練習の機会を得られた
(↑疲れすぎて、完璧主義に陥る余力もなくなったおかげで)

・思い出し怒りや将来への不安にふけるエネルギーも
 残っていないおかげで、そうした思考にふけらないで済む

・こうした体験を、不眠でクタクタになり
余分なエネルギーがなくなっているおかげで
半ば強制的に経験できた
(そういう機会でもなければ、自発的には
なかなかこの経験はできなかっただろう)。

もちろん、最初のうちは
「理屈ではそうだろうけど、
やはり気分悪いことには変わりない」

つまり感情面では納得できない、
と感じるでしょうが、こうした「感じ」
は「慣れ」でどんどん変わります。

どんな出来事の中にも必ず
自分の成長のためのメリットが込みで
含まれているのだという視点を
常に持つように意識していると、

「何が起きても大丈夫。
何しろ、自分はそれでますます成長して
良くなっていくから」
と思えるようになります。

しかも、このように考える習慣づけをすることで
それが「第二の天性」になり
やがて自然にそう感じるようになるのです。

こういう人生、とても生きやすいですよね。

なので今日からあなたも、「不利」なことが
起きる度に、そこに含まれる「利益」の
に意識を向けるようにしましょう。


 

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ホリスティック(※)精神科医として、できるだけ薬を使わずメンタル改善する方法を様々に模索し、相談者にご提供してきました。このブログではその中でも特にアート(特に絵画療法)のエッセンスを通じてあなたが自己ヒーリングできるように工夫した情報を発信していきます。 ーーーーー ※ホリスティック:「統合的、総合的な」という意味。ここでは薬物療法オンリーの従来型精神医学の限界を突破するために深層心理学、催眠療法(ヒプノセラピー)その他のスピリチュアル、アロマセラピー、そして精神症状を改善するエビデンスのある分子整合(オーソモレキュラー)栄養療法を通じてメンタル不調を改善することを指します。