【Q&A】マインドフルネス(今ここに集中)V.S.「将来への計画性」の違い

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【Q&A】マインドフルネス(今ここに集中)V.S.「将来への計画性」の違い

「今ここに集中すること」と「将来への準備をすること」が
矛盾するのではないかという誤解は、よくあります。
今回はそれにお答えしています。

今回は、いただいたご質問にお答えする回となります。

ご質問内容は
「マインドフルネスと将来の計画を立てることは、矛盾しないか?」
というものです。

これは、マインドフルネスや心のコントロール法を学ぶ際に
よく訊かれる内容であり、
誤解も多いポイントなので、ご説明しますね。

確かにマインドフルネスとは「今、ここ」に集中することで
過去の嫌な出来事への、怒りや後悔といったネガティブ感情や
将来への不安や恐れから気持ちを切り離し、これによって
心を落ち着かせる方法です。

これによって気分が落ち着くだけでなく
それまで怒りや恐れによって奪われていた心のエネルギーを
消耗せずに済むようになるので、結果的に
意欲や集中力、そして行動力が増え、そのおかげで
実際の人間関係や仕事の生産性や健康面も良くなっていくのです。

しかし特に将来を心配し、不安になりやすい人は
「将来の心配をしないと、何か見落として
 悪いことが起きるのではないか」
といった因果関係をなんとなく想定しています。
もちろんこれは、正しくない因果関係です。

不安や恐れに陥りやすくメンタル不調になりやすい人は、
いくら考えてもわからないこと、解決や改善につながらないことを
ただただ堂々巡りで考え続けているだけなのですが、本人的には
「一生懸命、改善策を探している」というつもりになっています。

もちろん起こりうる最悪の事態を想定して先回りして手を打っておくとか、
少なくとも被害を最小にできるように具体的な対策をしておける場合は
そうした方が良いでしょう。

でも冷静に考えてもらえればわかるのですが、
このように堂々巡りで考え込んでいる内容のほとんどは
どこにも向かわず、むしろ堂々巡り思考で疲れ切ってしまい、
考え始める前よりももっと精神的に消耗して具合が悪くなってしまいます。

つまり、改善策のないことを繰り返し考えることは、
あなたの精神状態をなおさら悪化させるだけという、非生産的行為なので、
意識してストップするよう、努力する必要があるのです。

ーーー
一例として、あなたが会社員として、大事なクライアントの会社に出向いて
プレゼンを行なう担当になったとしましょう。
しかも今回は肝いりのプロジェクトなので、あなたの直属上司だけでなく、
部長級の人たちも一緒に参加し、あなたのプレゼンを見守る、
という設定だとします。

これほど責任の重いプレゼンは初めてなので、あなたはとても緊張します。
できるだけ期間に猶予をもって準備しようとしますが、
次第に当日が近づいてくると

「ちゃんとできるだろうか」
「上司たちにどう評価されるだろうか」
「クライアントに批判されたらどうしよう」

などという思いが頭の中を駆け巡り、
資料づくりになかなか集中できません。

こんな時こそ、マインドフルネスがとても有効です。
本当は目の前の資料作りなり、情報収集とその優先度の判断なりに
集中しなければならないのに、不安感にあおられて
集中力が落ち、生産性が低下してしまっているわけですからね。

そこで一旦目を閉じ、ゆっくり深呼吸をし、その呼吸の感覚を
身体に感じながら、その感覚そのものに注意を向けることで、
「プレゼンへの不安」という、圧倒される感情から
意図的に自分を引き離します。

こうすることで次第にリラックスするので、その結果、しばらくすると
落ち着いた頭で資料作りや情報の選別などの頭脳労働への
集中力が回復するのです。
このように、マインドフルネスはきわめて実用的かつ生産的な手段です。

もちろん、心を落ち着かせた上で、現実的にやるべき
プラスアルファの準備があれば、それを強化することも必要でしょう。

例えば「人前で発表することが怖い、苦手だ」という人は、
そもそも場数を踏んでいない、つまり経験値が足りないのと、
経験値を積む前提としての練習の数が
圧倒的に足りていない場合がほとんどです。

一応のプレゼン内容ができたら、
制限時間内にちょうど良く終えられるかも含めて
まずは一人で何度もリハーサルする必要があるでしょう。

現在ではほぼ誰でも自分用のスマホを持っているわけですから、
一人リハーサルしている自分の姿をスマホで録画して、
姿勢や表情、身振り、声の出仕方などを含めて
客観的にチェックしておくのも役立つでしょう。

次の段階では社内でリハーサルをさせてもらうとか、
それが難しくても自分でそのようにイメージしながら
やってみるのも良いでしょう。

社内外から訊かれそうなこと、反論されそうなことの
想定問答集も作り、予め答えるというのも、実際に声に出して
やってみることで、感覚がわかりやすくなるでしょう。

そして上司に
「こういう内容で、こういう流れを想定して資料を作りました」
と見せて、フィードバックをもらっておくのも必要でしょう。

以上のように、現実的に考えて対処可能なことは
できるだけやっておく、それによってある程度の安心感を得るようにする、
というのは、もちろん大事だし、役立ちます。

しかし実際には、想定外のことが起きたり、全く自分ではコントロール外の
ことだって、何%かは起こりえます。

例えば当日、大地震が来て職場が崩壊するかもしれないし、
自分がクライアントの会社に行く途中で
交通事故に遭ってしまうかもしれません。

あるいは、クライアント側の担当者が急な事情で交代し、
もともとは理解あるタイプだったのが、その会社でも特に性格のひねくれた
気難しいタイプに替わってしまうかもしれません。

しかしそんなことは、あなたには対処しようのないことです。
もしも起きてしまったら、これまた、できるだけマインドフルになる、
つまり深呼吸などを目立たないようにやりがながら、
その場でできるだけ冷静に受け答えをするように心がけるだけです。

想定外のことへの準備なんて不可能ですし、
起きてしまったら、その中で「今ここ」に集中して
その中でベストを尽くすことが、最も現実的な対処法でもあるからです。

というわけで、将来に備えて、現実的に準備できることがあるならば
それをしましょう。

その上でマインドフルネスを使って自分を冷静でリラックスした状態に保つことはパフォーマンスを最大にするために重要ですし、
ましてや、考えても何も改善に役立たないことを繰り返し考え続けるのは
全く非生産的なので、これもマインドフルネスを活用して
できるだけ早く自分を引き離すよう、日々練習してください。

記事末尾では、マインドフルネス瞑想の入門者に役立つ動画を
いくつか貼っておきますので、ご関心のある方は
それらで練習してみてくださいね。

<関連記事>
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マインドフルネスを活用できない人の特徴

<関連動画>
メンタリストDaiGoの「脳を鍛える マインドフルネス瞑想のコツ」①入門編
https://youtu.be/OK31TqFE44A 
マインドフルネス瞑想 ストレスを軽減しポジティブ思考になる
https://youtu.be/3RZYY-2fghg 
嫌な思考から距離を置くイメージワーク「冷蔵庫法」https://youtu.be/gpAf5zdiU7M 

 

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ホリスティック(※)精神科医として、できるだけ薬を使わずメンタル改善する方法を様々に模索し、相談者にご提供してきました。このブログではその中でも特にアート(特に絵画療法)のエッセンスを通じてあなたが自己ヒーリングできるように工夫した情報を発信していきます。 ーーーーー ※ホリスティック:「統合的、総合的な」という意味。ここでは薬物療法オンリーの従来型精神医学の限界を突破するために深層心理学、催眠療法(ヒプノセラピー)その他のスピリチュアル、アロマセラピー、そして精神症状を改善するエビデンスのある分子整合(オーソモレキュラー)栄養療法を通じてメンタル不調を改善することを指します。