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「人間関係がこわい」からネット依存症に
特に2010年代に入り、インターネットの利用がパソコンからスマホ中心になってから、ネットに「常時接続」している人口の割合が増えています。
それと時を同じくして、学生の不登校と会社員の休職が目立つようになり、
しかも年単位の長期にわたる例が大幅に増えてきました。
こうした長期引きこもりの人たちの特徴として、以下のものがあります。
・昼夜逆転
・リアルな対人関係がほとんどない
・対人緊張が極端に高く、新たな人間関係を作ったり
それを維持することが極めて困難
引きこもりが長期化するほど社会から孤立し
他人と関わったり社会的スキルを上げる経験が欠落する
期間が増えます。
するとますます、社会に出てやっていく自信がなくなり、
そんな自分への自尊心がなくなり
人生が苦痛なものになってしまいます。
唯一維持しているのが、ソーシャルゲームを通じた交流ですが、
1度も会ったこともない、信頼関係もないものになりがちでしょう。
気に入らなければ相手を罵倒したりブロックして済ませる
といったことを繰り返しているようでは、
「たとえ意見の対立があっても話し合って解決し、
関係性をより深めていく」
といった、人生の醍醐味を経験することもなく
孤立状態が続く毎日になってしまいます。
こうした状態を快適に感じられる人は、
めったにいません。
その結果、アルコールやギャンブル、
過食などに走ってしまう人は多いです。
各種SNS やネットゲームそのものにハマり
課金のために借金までしてしまうなど、
ネット依存症になる人口が
特に若い世代中心に激増しています。
「浅い」人間関係でも気分を良くしてくれる
しかし、朗報もあります。
例えば親友とか恋人といった「濃い」人間関係でなくとも
人間は心が上向き、安定し、幸せ感を感じられるのです。
一般に、人生を充実させるには
親友レベルの濃い人間関係こそが重要で必須だと思われています。
しかし実際には違います。
これは老齢者たちの幸福度を調べた研究でわかったことなのですが、
実際には、いつもいくコンビニの店員とか宅配の人とか、近所の人、さらには街中や電車での行きずりの人との「ごく浅い人間関係」でさえ、
メンタルを良い状態にしてくれるのです。
だから親しくない人、一期一会の行きずりの人にも、可能な限り親切にしましょう。
例えばレジでの会計時、商品やおつりを受け取る時に
「ありがとう」とはっきりいう、など。
すると自分自身がその後数分間、わずかだがほんわかした気分になります。
常に緊張とイライラがある人には、それだけでもストレスが下がるタイミングとなるでしょう。
これを日に何回も意識していれば、自分自身の過緊張の度合いも、
次第に減っていくことが感じられるでしょう。
つまり他人に親切にするのは、自分自身のメンタルヘルスを良くするため、
と割り切っても良いのです。
「独身者は不幸」は過去の話。その理由とは
さらに、現代はインターネットの普及で、地理的制限を超えて人と知り合い、
コミュニティを作ったり所属したりできます。
例えば従来の幸福度研究では、既婚者のほうが独身者よりも幸福度が高い場合が多いというのがありましたが、それは従来の生活では
生活圏にしばられ、そこで血縁関係のつながりがないことは
対人関係に乏しい生活になることとイコールでした。
人間にとって、生活のなかに一定の対人関係があることは
幸福感を得るために必須といえるため、
独身者は孤独感にさいなまれやすい、という結論になったのです。
しかし現代ではSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を通じて
同じ趣味嗜好の人たちとつながり、毎日対話することも可能です。
これにより、地元の生活圏ではまず受け入れてもらえないような趣味や思想も、母数が膨大なネットの世界では、必ずといって良いほど同好の士が見つかるでしょう。
そしてたまにはオフラインで実際に会う機会を作ったり、
そうでなくともZOOMなど無料のテレビ会議形式で対話することも可能です。
。。。
一方で毒親や理解のない親戚など、ただ血縁や地縁があるから
という理由だけで、あなたのメンタルヘルスに害をなす人間からは
意識的に距離を取りましょう。
扶養や交流の義務があるのは、未成年の子に対しての親だけです。
子が親に対して、または兄弟に対して、自分の生活を削ってでも援助をする義務はありません。
第一、自分に余裕があり幸せでなければ、
他人を援助し幸せにすることはできません。
それに、あなたが無理に援助をしないことで、相手が自立したり
精神的に成長することを促す結果になることの方が多いものです。
最も成熟した、幸せな人間関係とは
「互いに自立し、1人でも十分生きていけるが、
気の合う人と交流するとなおさら楽しいから、交流している」
という状態なのです。
ネトゲ依存症になるか、幸せになれるかは活用法次第
また以下の本では、インターネットゲームを意識的に行なうことで
・マインドフルになり、容易にフロー(いわゆる「ゾーン」)状態に入ることができ、不安やうつ気分が軽減し、逆に集中力は増す
・試練に対して粘り強く、適度に楽観的になれる
・良好な対人関係を築きやすくなる
という研究結果を発表し、またゲームそのものをプレイしなくても
ゲーム中にみられる良い心のあり方をオフラインでも応用して使うための
「クエスト(課題)」を多数挙げ、
読者が自身で精神状態と対人関係を改善するためのコツを伝授してくれています。
特に、SNS 等での見知らぬ人に、そのSNS が提供しているゲームを「一緒にしてくれませんか?」とメッセージし、数十分間協力してプレイするだけで
オフラインでは考えられないほど容易にかつ急速に、
お互いに好感をもてるようになることもわかっています。
ということは、楽しくゲームをやりながら人間関係も広げられるので
引きこもりがちな人、オフラインではなかなか気の合う友人が見つからない人にとって、大きなチャンスなのです。
ぜひ、現代ならではの選択肢を上手く活用しましょう。
ホリスティック(※)精神科医として、できるだけ薬を使わずメンタル改善する方法を様々に模索し、相談者にご提供してきました。このブログではその中でも特にアート(特に絵画療法)のエッセンスを通じてあなたが自己ヒーリングできるように工夫した情報を発信していきます。
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※ホリスティック:「統合的、総合的な」という意味。ここでは薬物療法オンリーの従来型精神医学の限界を突破するために深層心理学、催眠療法(ヒプノセラピー)その他のスピリチュアル、アロマセラピー、そして精神症状を改善するエビデンスのある分子整合(オーソモレキュラー)栄養療法を通じてメンタル不調を改善することを指します。
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