「断る力」は自分のためだけでなく、周りのためにもなる

「断る力」は自分のためだけでなく、周りのためにもなる

あなたは、他人の依頼やお勧めを、上手に断れますか?
特に日本人の場合

・相手に嫌われたくない
・その場の空気を丸く収めたい
・和合こそが善だ

という文化、気風が長く続いてきたため
はっきりと「NO」をいうのは
「身勝手」「意地悪」
だという、誤った先入観が強く、
このため仕事や生活上で不自由を
長く感じて苦しむ人がまだまだ多い印象です。

そのため、やりたくない仕事や用事を
引き受けてしまって疲労困憊したり、

「いつも自分ばかり損している」
と、相手や環境を恨んだりして
そのネガティブ感情で自分の心身の
健康状態を悪化させている人も少なくありません。

しかし実際のところは、
嫌なものは嫌と明確に意思表示した方が
自分のみならず、相手や周囲の関係者みんなにとって
良い場合の方が多いのです。

断り方にはコツがある

とはいえ、断るにもそれなりのスキル(技術)
が必要です。

そして全てのスキルがそうであるように、
それまでほとんど自己主張したり
断ったりすることのなかった人の場合、

最初は加減がわからず
やりすぎたり、感情が爆発して
肝心の自分の希望や意見をきちんと伝えられず

「何だ、あの人は?
今まで『いいよ、いいよ』と引き受けてくれてたのに、
急に怒り出すから、理解できない」

などと思われてしまい、人間関係を
ギクシャクさせてしまう危険性もあります。




そうならないためには、いくつかのコツがあります。

1)意見(希望、要求)と感情を分けて表現する

2)自分が断りづらい相手や状況を予め書き出しておき、
 それぞれに対する対応策を決めておく。
 そしてそれを毎日読み返し、忘れないようにしておく

3)頼まれ事のある度に 2)に基づいて自己主張し、
上手くいったかどうかの記録もとっておく。

成功した場合もそうでない場合も
それぞれの理由を書き出し次回はどう
改善すれば良いのかまで、今回の出来事の
印象が薄れないうちに記録しておく。


それぞれについて、詳しくご説明しますね。


1) 意見(希望、要求)と感情を分けて表現する

これまで自己主張をしてこなかった人ほど
これまで「いつも自分ばかり犠牲になっている」、
「あの人はいつも上手く逃れて、楽をしている」
といったわだかまりが溜まっているので、

いざ主張しようとすると極端な
表現になってしまいがち。

例えば
「いいかげんにしてください!!」
「何でいつも私にばかり依存するんですか!
少しは自分でも責任をもってやってよ!!」

などと、うっぷんを爆発させることに
エネルギーを使い果たしてしまい、
肝心のあなたの主張や、こうしてほしいという
希望を上手く伝えられずに終わってしまうのです。

これだと、相手や周囲に
「あの人、急に不機嫌になって、扱いづらい」
と思われてしまい、ただ自分の立場を不利にして
終わってしまいます。

これは、「自己主張する」ことで
あなたが最も恐れていた結末でしょう。

しかし実際には、自己主張したことが悪かったのではなく、
自己主張のやり方が、練習不足のせいで
未熟で下手だったからに過ぎません。

したがって、コツコツ練習すれば上達できます。

2) 自分が陥りやすいパターンを書き出し、それに対する対策も書き出しておく

ではどうやって練習するかですが、具体的には
自分が断りづらい相手や状況を予め書き出しておき、
それぞれに対する対応策を決めておくのです。

例えば予定外の残業を夕方になって急に打診された場合には
たとえその日に明確なプランがない日だとしても
「今日は先約があるので」
と断る。

これは別に嘘をついていることにはなりません。
なぜならその日は
「ゆっくり自分の体力気力を温存する」という
「先約」があった、と考えることができるからです。

一日の労働後の疲れをいやし、
体力気力を温存し健康を安定させるのは、
あなた一人のためだけのことではありません。

あなたが良い健康状態で
毎日安定的に出勤し続けられることが
会社にとっても結局、最も
コストパフォーマンスの良いこと。

何しろ、社員がうつ病その他で休職したり
退職したら、別の人を異動させるなり
採用しなくてはなりませんが、

異動の影響は周囲の他の社員たちにも
波及しますし、採用ともなれば
そのために転職エージェントに払う百万単位のお金、
面接や新たな教育のための人的・時間的コストなど、
多くのコストが余計にかかってしまうからです。

それに比べたら、目の前の社員(あなた)が
残業を断っても、他の人手をかき集めて
なんとかした方が良い、となります。

「いや、自分の部署はみんなが忙しいから、
自分が断ったら周りに迷惑がかかる」
という人も多いですが、

そういう職場は歯が抜けていくように
次第に社員が(健康を残って)減って、残った社員が
人員不足の中、更に健康を害して・・・
という負のループに陥っていきます。

経営者が根性論など古い認識で動いている会社は
今後どんどんつぶれていきます。

沈む船に最後まで残ってがんばる社員ほど
ダメージがひどくなりますので、
ブラック企業ならば、早いうちに別の道を
探していった方が良いでしょう。


で、このように断るには、普段から
「NO」という練習をしておくことが必須です。

つまり、自分が断りにくい状況になる
パターンの代表的なものをいくつか書き出し、
それを暗記するほど何度も読み返す。

さらに、常に持ち歩き、
毎日それを1回以上は読み返しましょう。
例えば昼休みの、食後のコーヒーを飲みながらなど、
読み返すタイミングまで、最初は決めておきます。

このためには、スマホに設定して
リマインダーが自分に飛んでくるように
しておく、などの具体的なことにまで
落とし込んでおくのが良いでしょう。

習慣化するまでは、ここまで念入りに
システムづくりをしておかないと、
いざ急に相手に頼まれごとをされた際に
頭の中が真っ白になってしまい、
過去と同じパターンでまた引き受けてしまいかねません。

3)自己主張の結果を検証する

受験勉強と同様、何か目標達成しようと思ったら
計画を立てる→実行する→見込み通り上手くいったか検証する
といったプロセスが必要です。

なので、頼まれ事があった日には、
記憶の新しい、その日のうちに

1)、2)の考え、計画に基づいて自己主張できたか

相手の反応は予想通りだったか、それとも違う点があったか

断れたか。
断れた場合、どのくらい満足な断り方だったか。

断れなかった場合、あるいはかなり譲歩させられた場合、
何が原因だっがか。

では次回は、どう改善すれば良いか。


といったところまで、書き出しておきます。

「断る」のをデフォルト(前提条件)にしておく

いろいろ述べてきましたが、
1つ、根本的なマインドセットを
ここでお伝えしておきます。

それは
「断って当然である」
というのを、基本的スタンスとする、
ということです。

人間の心理として、頼みごとは
一番、言いやすい相手に持っていこうとします。

そして大半の頼みごとは
「断られるかもしれないが、引き受けてくれたらラッキー」
くらいの軽い気持ちで頼んでくることが多いのです。

そんな頼みごとを、自分が歯をくいしばって
がんばってこなしたとしても、相手は

「お、本当にやってくれたよ。助かるね。
じゃあ、今後もまずあの人に頼んでみよう。
気が楽だから」

と、ますます便利に使われてしまいかねません。


アサーション(自己主張)の技術

このように、自分の意見や権利を正当に主張するには
ある程度の自尊心の向上と、
自己主張のためのコミュニケーション技術も必要です。

このため、「アサーション(自己主張)」を
扱った書籍や、うつ病や不安障害から復職する人向けの
デイケア内のプログラムでも「アサーション・トレーニング」
が必ずといって良いほど含まれています。

なので詳しくはそうした本などを
参照していただきたいのですが、
アサーションも技術なので、易しいところから
開始し、進めていく必要があります。

店員相手に練習する

そこで最も難易度の低い相手として、
まずは店員さんなど、何らかの商品やサービスを
あなたのお金と引き替えに提供しようとする相手に、
断る練習をしましょう、ということになります。

例えば飲食店で、オプションの「ドリンクセット」
を勧めらたが、欲しくなければ
「いえ、結構です」
と断る。

食事を終え、もう席を立とうというタイミングで
店員に「お冷や、いかがですか?」と
追加の水を注ぐか訊かれたが、
「いえ、もう結構です」と断る。

断りきれないタイプの人は、こんな場面でさえ
はっきり意思表示せず、なんとなく水を注いでもらい、
結局ほとんど飲まずに退席する、といった
習慣が身についています。

そうではなく、そして表情やしぐさだけでもなく、
言葉でも「いいえ」「お断りします」と
相手が間違えようのない形での表現を心がけましょう。
そのための練習を繰り返しましょう。

何度か続けているうちに、そちらのほうが
自然でムダがなく、かつ楽に毎日を
送れるようになることに気づくでしょう。


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ホリスティック(※)精神科医として、できるだけ薬を使わずメンタル改善する方法を様々に模索し、相談者にご提供してきました。このブログではその中でも特にアート(特に絵画療法)のエッセンスを通じてあなたが自己ヒーリングできるように工夫した情報を発信していきます。 ーーーーー ※ホリスティック:「統合的、総合的な」という意味。ここでは薬物療法オンリーの従来型精神医学の限界を突破するために深層心理学、催眠療法(ヒプノセラピー)その他のスピリチュアル、アロマセラピー、そして精神症状を改善するエビデンスのある分子整合(オーソモレキュラー)栄養療法を通じてメンタル不調を改善することを指します。