筆記開示(書き出しワーク)で、心を落ち着ける【カウンセラー不要】

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筆記開示とは

これはその日の心の中のモヤモヤ、すなわち日々の嫌なこと、
不安なことについて細かく書き出す、というものです。

「えっ、ネガティブなことを詳しく書いたりしたら、
 ますます嫌な気分になって逆効果なのでは?」
と思われがちですが、実際はその反対です。

メンタル不調が慢性化している人は、毎日の時間のほとんどを
過去への怒りや恨み、あるいは今後への不安や恐怖心に縛られています。
具体的には、過去や未来のネガティブなことを毎日何十回、何百回と繰り返して思い出し、頭の中でリプレイ(再生)し続けているのです。

つまり堂々巡り思考しているのですが、それによって何か改善策を
思いつくことはないですし、成長につながる気づきを得ることもありません。

それなのに永遠に堂々巡り思考をしている理由は、考え続けることで
何か解決策を探している気になっている、何か良いヒントが思い浮かぶのではないかと感じ、止められないのです。
逆に考え続けるのを止めてしまっては「問題から自分は逃げているのでは」「何かとんでもない悪いことが起こるのでは」と恐れています。

しかし、冷静に振り返ってみてください。
今まで嫌なことについて堂々巡り思考した結果、
具体的な良い解決策か改善策は、思いつけましたか?

堂々巡り思考が悪いのは、単に解決に役立たず時間の無駄だ、
ということだけではありません。

堂々巡り思考をすればするほど、かえって怒り・恨み・不安・恐怖が強まり、
精神エネルギーを消耗するという逆効果になってしまい、
非常に非生産的な行為だからです。


つまり堂々巡り思考をしないようにすることは、「逃げ」ではないどころか、
もっとも生産性が高く、メンタル改善に効果が高いのです。

では、どうすれば堂々巡り思考を止められるかというと、
これが筆記開示(書き出しワーク)です。

心(頭)の中で考えているだけだといつまでも終わらず、延々にループ
してしまいますが、その内容を紙に書き出すことで「見える化」できます。
つまりある程度心理的距離を置いて客観的に見られるようになるのです。

筆記開示の具体的方法

筆記開示のやり方には、いくつかコツがあります。

まず、紙に書くほうが効果が高いです。
書いたものは、後で二度と見たくない、
あるいは家族などに読まれたくないと感じる場合には
十分書き出したあと、細かくちぎって捨てると良いでしょう。
これは、誰にも見せるものではありません。

一方で、それ用のノートを決めて書くことで、書く習慣がつきやすいことや、
数ヶ月~数年後に見返して自分の成長を確認できるという
メリットがあります。
どちらを選んでもOK です。

ただ、筆記開示は基本的に、毎日行ってください。
特にネガティブ感情が強い間は毎日行なうことで効果を感じやすくなります。

書く時間帯は概ね一日が終わった午後の後半以降が良いでしょうが、
嫌なことがあったとか不安に襲われた、というタイミングでその内容を書く、
というのも効果的です。

逆に就寝の直前に書くと多少神経が高ぶったり、書いた内容の記憶が
睡眠時にも引き継がれる場合がありますので、
遅くとも就寝の1~2時間前には書き終えられるような時間帯がお勧めです。

また、特に自分の心に向き合うことに慣れてない人や、
書くことをあまりしていない人、語彙が少ない人は
最初はなかなか書く内容が思いつかなかったり、
詳しく描写できなかったりします。

その場合でも「1回につき8分間以上。かつ連続して4日間以上」は必ず書くようにしましょう。
これが、筆記開示が効果を発揮するための最少の時間数です。

8分間、できるだけペンが止まらないように集中しましょう。
そのためにもスマホは別の部屋に置いて視界に入らないようにする、
「機内モード」にするなどして着信に気を散らされないようにする、
というふうに環境を整えてから、取り組みましょう。

何も思い浮かばないなら「何も思い浮かばない」と、書きましょう。
8分間ずっと「何も思い浮かばない」と写経のように書き続けることになっても良いです。

「こんなことバカらしい、効果なんてあるのかな」
「こんなことでメンタルが改善するなら苦労しないよ」
という思考が浮かんだなら、そのことをそのまま、
紙に書きつけていってください。

堂々巡り思考にも、スマホにも気を散らさず、
紙になんとか自分の気持を絞り出して書こうとしているうちに、
徐々にいろんな思考、感情、記憶、連想といったものが浮かび、
書けるようになっていきます。

<参考図書>
『こころのライティング 書いていやす回復ワークブック』

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ホリスティック(※)精神科医として、できるだけ薬を使わずメンタル改善する方法を様々に模索し、相談者にご提供してきました。このブログではその中でも特にアート(特に絵画療法)のエッセンスを通じてあなたが自己ヒーリングできるように工夫した情報を発信していきます。 ーーーーー ※ホリスティック:「統合的、総合的な」という意味。ここでは薬物療法オンリーの従来型精神医学の限界を突破するために深層心理学、催眠療法(ヒプノセラピー)その他のスピリチュアル、アロマセラピー、そして精神症状を改善するエビデンスのある分子整合(オーソモレキュラー)栄養療法を通じてメンタル不調を改善することを指します。