前回の「赤色」が「個人、生命力、肉体、押しの強さ、積極性、活動性」といった意味だったのに対し、今回の黄色はそれよりも個人の度合いが後退し、より「集団、全体」といったものを重視します。
一言でいうと「みんなで平等。一斉に~する」という視点です。
個人よりも市や県、国、さらには地球全体の幸福・・・といった価値観です。
それが最も象徴的に、わかりやすく体現されているのが学校、特に日本の義務教育に象徴されているような
「一斉に、同じプログラムを提供する。脱落しそうな子は補講をしてでもなんとか一緒に進ませようとする」
といったスタンスです。
つまり一生徒の利益や幸福よりもクラス全体、さらにはその学校全体、そしてその学校が属している町・市・県そして国の幸福。
これに対して「優秀な子にはどんどん飛び級させることも含めて、個人の能力を最大限に伸ばす」のは「赤色」的スタンスといえるでしょう。
人間関係でいえば「浅く広く、平等な友人づきあい」。
そのつきあいは安心感があり、穏やかで長続きするでしょうが、一方で表面的であり、自分や特定の相手個人がどのような価値観を持ち、どう生きてきたのか、そして今後どうしたいのか、何が本当に喜びで、何を排除したいと願っているのか、そうした個人的で深い内面の接触はしようとしません。
そのぶん、類似した価値観を持つ他の個人との心からの共感も、全く感性の異なる人との交流で感じる驚きや違和感、あるいはそれを経たからこそ実感できる視野の拡大や心の成長といった深い体験は望めません。
なので、人が思春期以降になり
「自分とは何か」
「何のために生きているのか、人生どうしたいのか」
といった、重大なテーマを考えざるを得なくなったときに、
それまでのような「みんな一緒、仲良しでいいね」といった、幼少時のようなスタンスでは物足りない、かといって、それに代わって進むべき方向性も見つけられない・・・となりがち。
すると集団の中にいても他人との心理的距離感のとり方がわからなくなってとまどったり、他人に適度に自己開示する加減がわからず、唐突で極端な自己主張をしてしまって周囲と衝突したり浮いてしまったり。
あるいはそうした衝突や居心地の悪かった経験がきっかけで他人が怖くなって引きこもってしまったり…といった、対人関係の保ち方への葛藤を経験するようになります。
現代のようにインターネット、中でも各種SNS(ソーシャル・ネットワーク・システム)でつながった関係性は、「友だち」という名の他人(「知人」とすらいえない、ごく浅いつながり)ばかり増えていますが、これには「黄色」レベルの関係性ばかりが増殖したゆえの偏りをを感じますね・・・。
もし、ある時期から「みんな平等」の無個性な関係性に物足りなさを感じたら、それは個性(自我)が芽生えて来ているからこそなので、定期的に――つまり適度に一人でマイペースに過ごす時間を持つのは、自分を知り、成長させるためにとても大切で必要なことです。
なので「広く浅く」つきあうのに疲れたら、
時々気が済むまで単独行動しましょう。
普段から興味があるし、やりたかったが、つきあいや雑用に追われてなかなか実行できなかったというものを、1つ1つじっくりと取り組むのです。
数時間、数日、あるいは数週間単位で自分一人の世界に没入する時期を持つと、次第にそのことにもある程度「飽きてきて」、また他者の間に入ってしばらく過ごしたい、という欲求が出てくるでしょう。
そうしたら、また気が済むまで、他人の中で過ごしましょう。
そしてもし他の人よりも多少気が合いそうな人がいたら、時には自分の方から、「私は何が好きで、これは嫌だ」といった感性や価値観を少しずつ表現してみて、相手の反応を見て、交流を深められるか、練習してみると良いでしょう。
また、黄色は太陽の光のように、あまねく全てに降り注ぐ愛/エネルギーといえます。
あなたが太陽のように、あるいは暖炉の炎、またはランプの光のように、落ち着いた一定のスタンスで
「選り好みしない、一定強度の穏やかな明るさ/暖かさ」
を発するようにしていると、たとえあなた自身がすぐにコレといった方向性を自覚できなくても、周囲であなたの穏やかな光のトーンに惹きつけられた人が、徐々に集まってくるでしょう。
その人達は、自分が満足するまで暖まれば、しばらくあなたから遠ざかるかもしれません。
でも寒くなったら、また一定期間後にあなたのそばに来て暖まっていこうとします。
また、そういう人たちはあなたが今後も一定のエネルギーを出してくれるようにと、時々「薪をくべる」、つまり共感や励ましの言葉、あるいは「あなたに暖めてもらったおかげでエネルギーが出て、~ができた」といった、成功体験を語ってくれるかもしれません。
そのようなフィードバックは、
あなた自身をも元気にしてくれることでしょう。
「平等で穏やかな、一定の愛」
「個性を打ち出した、メリハリを主張する対人関係」
の両者を行ったり来たりしながら、現在のあなたが最も居心地が良いと感じるスタンスを見つけていってください。
ホリスティック(※)精神科医として、できるだけ薬を使わずメンタル改善する方法を様々に模索し、相談者にご提供してきました。このブログではその中でも特にアート(特に絵画療法)のエッセンスを通じてあなたが自己ヒーリングできるように工夫した情報を発信していきます。
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※ホリスティック:「統合的、総合的な」という意味。ここでは薬物療法オンリーの従来型精神医学の限界を突破するために深層心理学、催眠療法(ヒプノセラピー)その他のスピリチュアル、アロマセラピー、そして精神症状を改善するエビデンスのある分子整合(オーソモレキュラー)栄養療法を通じてメンタル不調を改善することを指します。
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