摂食障害(拒食症、過食症)の本当に有効な対処法とは

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摂食障害(拒食症、過食症)の本当に有効な対処法とは

摂食障害(拒食症、過食症)は近代社会で増えている疾患です。

従来は「若い女性のみに発症する」と思われていましたが、
最近は男性でも「ストレス食いで非常に太ってしまった」例は
そう珍しくありません。

また女性の摂食障害の人では
改善するための有効な行動をとってこれなかったために
30代後半、さらには40代になっても過食嘔吐し続け、
社会生活や対人関係に大きな支障をきたしている人も
散見されるようになってきているので、要注意です。

また男の子、特に10歳~14歳くらいだと、
命に差し障るほどの拒食とやせになってしまい、
入院になった事例も、何人か経験しています。

女性だと

・生理が止まり、入院しなければならないほどやせてしまう拒食症の人

・拒食症から過食に転じ、食べ吐きを繰り返すことで
 やせすぎ体型を維持している人

・拒食はあまりなく、最初から過食。
 過食でぽっちゃりするか、
 過食嘔吐で通常かやや低体重を維持する人

といった、いくつかの典型的なパターンがあります。

摂食障害は低い自尊心と対人ストレスからくる病気

これら3つのパターンにより、ある程度の心理的な違いや
改善法の違いはあるにせよ、それは枝葉部分で、
おおもとの原因は一緒で、以下の点になります。

・自尊心が低く、適切な自己主張や、
 自分がこうしたいと思ったことを自発的にできない

・家庭環境が不適切(後述)だったため、
 不安が強く悲観的

・遊び心が少なく「べき」「ねばならない」思考が強いので
 リラックスして好きなことをして楽しむことができない


発症しやすい不適切な家庭環境とは

「家庭環境が不適切」とは、どういう意味でしょうか。
典型的な例を以下に挙げます
(水島広子著『拒食症・過食症を対人関係療法で治す』より引用、加筆)。

(1)親に存在価値を否定された。

親は最大の味方のはずなのに虐待された、
「あんたなんか産まなければよかった」など存在否定された、
常に他人と比較されてけなされた。


(2)努力をしてもそれが当たり前のように扱われた、
 努力自体を認めてもらえず、結果に対してケチをつけられたなど、
 努力を正当に評価されなかった。


(3)過保護な親に全て先回りして決められてしまった。

このため本人は自分なりの試行錯誤をさせてもらえず
その結果、自分の判断や行動に対して自信が持てないまま成長してしまう。


(4)何か意見をいうと「生意気だ」「わがままだ」と却下され、
  自分の意見を表現することを尊重されなかった。

 

摂食障害を改善するための基本的な視点と、具体的方法とは

したがって対処法は

・親をはじめとする他者に、適切に自己主張できるように練習する。

・「拒食や過食はその時の自分のストレス度のバロメーターだ
 という観点を常に忘れず、
 拒食や過食が強まったときには、何がその引き金だったのかを
 その日のうちに考え、ノートなどに書き出す。

つまり拒食や過食や食べ吐きといった症状そのものや、
体重自体には目を奪われないようにする。

・自分が問題のあるコミュニケーションパターンをしていないかを
 振り返り、代わりにどう応答したらよかったのかを
 ノートに書き出す。

となります。


「問題のあるコミュニケーションパターン」とはどんなものか、
「適切な自己主張」とはどんなものか
については、他の不安障害と共通なので、
以下の記事をお読みください。

<関連記事>
社交不安障害を自分で改善する方法

<参考図書>
『拒食症・過食症を対人関係療法で治す』

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ホリスティック(※)精神科医として、できるだけ薬を使わずメンタル改善する方法を様々に模索し、相談者にご提供してきました。このブログではその中でも特にアート(特に絵画療法)のエッセンスを通じてあなたが自己ヒーリングできるように工夫した情報を発信していきます。 ーーーーー ※ホリスティック:「統合的、総合的な」という意味。ここでは薬物療法オンリーの従来型精神医学の限界を突破するために深層心理学、催眠療法(ヒプノセラピー)その他のスピリチュアル、アロマセラピー、そして精神症状を改善するエビデンスのある分子整合(オーソモレキュラー)栄養療法を通じてメンタル不調を改善することを指します。