心と身体が強く影響しあっていることは
体験的に誰でも感じているとは思いますが、
最新の医療機器を使った近年の脳科学的研究にて
ますますそのことが判明してきました。
例えばカリフォルニア大学の研究では、
笑顔(作り笑いでOK)を10秒間作るだけでも
リラックス時と同じ反応
(心電図、血液検査などにて)が見られました。
また、ネガティブなことを考えると
そこから誘発されたネガティブな感情
(怒り、悲しみ、不安、恐怖、恨み、罪悪感、e.t.c. )
に反応して「コルチゾール」という
いわゆるストレスホルモンが
分泌されますが、このコルチゾールが
多い体内環境が続くと、
・免疫力が下がる
→風邪をはじめとする感染症にかかりやすくなる
→がんにかかりやすくなる
・海馬の体積が小さくなる
→(海馬は記憶力の中枢なので)
認知症が発症、進行しやすくなる
・セロトニンが減る
→(セロトニンは安心感、幸せ感のホルモンなので)
憂うつ気分になる、イライラ・怒りっぽくなる
という、健康上非常に不利になってしまいます。
それに対して、笑うとコルチゾールを減らし、
かつセロトニンを増やすので
免疫力を適度に上げ、記憶力を活性化し、
穏やかな意欲とリラックス感を与えてくれるのです。
ちなみにセロトニンは、約20年前から
最も頻繁に使われるようになっている
「SSRI」と呼ばれるタイプの抗うつ薬
が力点を置いている脳内ホルモンです。
うつ状態の人の脳内ではセロトニンが
減ってしまっているため、それを活性化することで
うつ症状を改善しようとするのが
SSRIの原理です。
ただ、SSRIでは、減ってしまっているセロトニンを
できるだけ有効活用する(無駄遣いを避ける)
ように代謝経路にちょっと細工をするという原理で
少ないセロトニンのパフォーマンスを上げようという
理屈なのですが、残念ながら
セロトニンの量そのものは増やせません。
これに対して
・笑う
・日光浴
・リズム運動(歩行、筋トレ、咀嚼など)
・タンパク質の多い食事
はどれも、セロトニンの量を増やせるのです。
しかも薬と違って
・副作用なし
・無料
と、良いことばかり。
やらない理由がないですよね。
「それでも、だるくて動けない」
「目的地もないのに毎日外出できない」
「人目が怖い」
「お金がかかるのが嫌」
等々いいたくなる人は、
それでもやらない限りは、症状が治る理由(要素)がないままだ、
ということになってしまいます。
ということは、今後も引き続き
何ヶ月も何年も今と同じ状態が続く、
ということです。
筋肉と同じで、心(脳神経と言いかえても良いでしょう)も
あまりにも長く負荷を避け続けると
「なまって」しまい、以前よりももっと
ストレスに弱くなってしまうのです。
もちろんうつや不安が強いとそれ自体のせいで
意欲が出ない、疲れやすい、頭も回らない
状態になっていますので、最初の一歩が
最も大変なのは自然ですし、無理もないことです。
私も学生時代、うつ病で休学していた1年間は
布団から起き上がって5分座っているのも
難しい状態でした。
頭の中は常に不安焦燥感が堂々巡りし、
トイレに立つのも一大決心が必要。
外出のため玄関の外に何とか出ても、
一歩踏み出した後は
2歩目はしゃがみ込み、3歩目はなしにして
路上で寝転びたいと願うほど、本当に
エネルギー切れ状態でした。
当時は精神科医でさえも
「うつ病の治療時には安静が一番」
と思われていましたし、
栄養の重要さも、マインドフルネスの効果も
ほとんど知られていませんでしたから、
うつや不安からの回復には
かなりの回り道をせねばなりませんでした。
でも現在は違います。
様々な医療機器の発達や多くの研究結果の蓄積により
四半世紀前よりもはるかに多様で、効率的で、
かつ自分でも実行可能な手法が
いくつも使えるようになってきたのです。
なので、あなたはぜひそれらを
有効活用してくださいね。
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以上の内容をわかりやすくまとめた
お勧め動画を2本、貼っておきます。
ホリスティック(※)精神科医として、できるだけ薬を使わずメンタル改善する方法を様々に模索し、相談者にご提供してきました。このブログではその中でも特にアート(特に絵画療法)のエッセンスを通じてあなたが自己ヒーリングできるように工夫した情報を発信していきます。
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※ホリスティック:「統合的、総合的な」という意味。ここでは薬物療法オンリーの従来型精神医学の限界を突破するために深層心理学、催眠療法(ヒプノセラピー)その他のスピリチュアル、アロマセラピー、そして精神症状を改善するエビデンスのある分子整合(オーソモレキュラー)栄養療法を通じてメンタル不調を改善することを指します。
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