うつなどの精神状態を食事で変える法

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食事(栄養)でメンタル不調は改善できる

さて、これまでの記事の中でも何度も
運動のメンタル改善効果について述べて来ましたが、

自宅で一人でいて、どうしても動けない時にも
(これまでのように)自分を追い詰める考え方ではなく、

「どうやったらリラックスしやすくなったり、
安心感を得たり、楽観的になれるか」の、
別のある方法を今回はお伝えしますね。

それは
「食生活で精神状態を改善する方法」
です。

食べ物が脳を作り、精神状態を決める

「糖質制限」が脚光を浴びて、10年ほどになるでしょうか。
おかげでコンビニや一般的な外食チェーンでさえ、
一部はロカボ(ローカーボ=低炭水化物)メニューを置くようになり、
利用者は外出先でもずいぶん「まし」な選択肢が増えました。

ただ、こうした大衆化の過程では仕方のないことですが、
本当に大事なことの一部がセンセーショナルに取り上げられるのみで
本質が見失われている場合もしばしばあります。

本来は、心身の健康度を改善するためには
糖質を抑え、タンパク質を増やすのをセットで行う」
ことが最重要ポイントなのに、糖質制限ばかりしてしまい

その結果、やせすぎる、貧血やめまい、脱力や頭痛、
精神状態の悪化(うつ、不安、イライラ、不眠e.t.c. )
が目立つようになってしまい
「糖質制限は害悪だ!」と勘違いする人たちがいます(一部の医師も含む)。

身体(脳を含む)の原材料は、
水の次に多いのはタンパク質です。
この材料が不足すれば、
正常な精神活動が円滑にできなくなってしまいます。

またタンパク質を介して、各種ビタミンやミネラルの代謝が行われるので
食生活でろくにタンパク質を摂らぬまま、サプリで
いくらビタミンやミネラルをのんでも上手く吸収できないのです。

外食やコンビニ利用でも栄養改善する方法

毎日3食自炊できれば、もちろん理想的。
でも多忙な現代人は、外食先やコンビニも使わざるを得ません。
ならば、できるだけ精神状態を良くするのに役立つ
食物選びのコツを知っておいた方が良いですよね。

以下では、メンタル改善に役立つ食物の選び方と、
逆によくある「ヘルシーなつもりで逆効果な食物の選び方」
の代表例をいくつか挙げておきますので、参考にしてください。

なお、このような記述を見て
「コンビニや外食なんて、添加物いっぱいなのに、
そんなものを勧めて良いのか?!」
と言ってこられる方もいますが、
全ては比較の問題です。

じゃあメンタル不調の現代人の多くが
普段どんな食事をしているかというと

・ファーストフードでハンバーガーやフライドチキンを定期的に買っている
・コンビニ弁当で、面積の2/3がご飯、
 おかずの大半が揚げ物や脂身肉のものを食べている
・飲み物は砂糖たっぷり入のジュースやコーヒー
・パンやカップ麺、各種スナックやスイーツを毎日のように食べている

こういうのが代表例ではありませんか?
もちろんこれらの中にも添加物やトランス脂肪酸がたっぷりです。

なので、(添加物が依然として多いとしても)
せめて脳やメンタル改善に有効なタンパク質の量を
まずは身近な手段で増やしましょうよ、という順番なのです。

特に砂糖をはじめとする精製糖質は依存性がありますから
乳幼児期から親が砂糖入りのものを毎日無自覚に与えていると

「イライラしキレやすい、根気がない、不安緊張しやすい、
寝付きも寝起きも悪い、だるくて疲れやすい」
という体調の子になりやすく、

昨今増えている不登校や引きこもり児のかなりの子の
背景にこうした栄養不良があるのではと思います。

一見「ヘルシー」、実は逆効果な食事法

典型的なのは
・野菜ジュース(特に果物も入っているもの。
 駅構内などにある「絞りたてジューススタンド」等も不可)
・サラダなど野菜だけで食事を済ませる
・スポーツ飲料
・ドライフルーツ
といったパターンです。

ジュースには多量の糖分が含まれ、しかも
生で野菜や果物を食べた時よりも
短時間で多量の糖分摂取をしてしまいます。

急激な血糖値上昇は体内に警戒信号を発令し、
膵臓からインシュリン(血糖値を下げるホルモン)を分泌させ、
血糖値の急低下をきたします。

血糖値が下がると脱力、疲労感、落ち込み、イライラなどが強まり
それを解消しようとして甘いものを食べる・・・
という、悪いスパイラルに陥ります。

このスパイラルが何年も続くと、
インシュリンを出し続ける膵臓が疲労困憊して機能不全に陥り、
これが糖尿病発症につながるのです。

ここから考えるとわかるように、昔からいわれる
「疲れたら甘いものを食べよう」
は間違いです。

確かに甘味を食べた直後は「気つけ薬」的に楽になるでしょうが、
本質的には無効などころか、
心身に害を及ぼす習慣ですので、止めましょう。

あと、「グラノーラ」「ブラン(穀物の外皮)入りシリアル」
もヘルシーイメージで売っていますが、
実際には(裏のラベルを読めばわかる通り)しっかり砂糖が
入っていますので、避けましょう。

また、「鉄分添加」「ビタミン強化」などとうたってあっても
食物でのそうした栄養素の品質保証は不明(できあがり製品中に
ラベル記載量が含まれていなくても、法律上罰せられない)
なので、あてにせず、

魚・肉・卵や大豆製品、乳製品を適度に
ローテーションさせながら多品目で摂りましょう。

こんな食物をこまめに確保しよう

では、普段何を意識して摂れば良いのか?
ここでは勤務日の会社員や、家事育児で多忙な主婦を
代表的なイメージとして
タンパク質の有効な摂り入れ方をお伝えしますね。

タンパク質

まず基本知識として知っておいていただきたいことは、
動物である人間にとって、
動物性のタンパク質の方が吸収率が高いです。

なので厳密なベジタリアン等で、
大豆などからだけタンパク質を取ろうとすると、
動物性のものに比べて約倍量摂取する必要があります。

そして人体は、体重1Kgあたり純粋なタンパク質で1.1g~1.2g必要
50Kgの人なら毎日50~60gの純タンパク質が必要ということになります。

実際の食材でいえば、最も吸収率の高い
動物性タンパク質の塊といえば肉か魚、卵となるわけですが、

食材に実際に含まれるタンパク質の割合は
おおまかにいうと1割程度。
それも未調理(生)の状態での計算です。

以上からざっくり計算すると、
体重50Kgの人が一日に必要なタンパク質である50gを
しようとすると、生肉換算で500~600g

焼けばタンパク質含有率が約70%に減るので

その分多く摂取せねばなりません。

不足している場合がほとんどでしょう。

ましてや

「朝ごはんは抜く」
「昼食忙しいし、近くのそば屋ですますか
コンビニでおにぎりや弁当を買ってくる」
「きちんとした食事といえるのは夕食くらいかなあ」

というレベルの人だと、タンパク質はもちろんのこと、
各種ビタミンもミネラルも、のきなみ
慢性欠乏状態と考えた方が良いでしょう。

なお、成長期にある子供や、妊婦ではさらに必要量が多く、
妊婦なら(妊娠後期が最大)で1.5~1.6g/日なので
生肉換算で750~800g
成長期である子供なら成人通常量の2倍以上
(体重あたり2.5g)のタンパク質が毎日必要なのです。

特に小児期のタンパク質必要量は、成人のビディビルダー以上に
大量が必要なのであり、したがって食事だけでなく間食も、
糖質以上にタンパク質を重視して摂取させる必要があります。

しかし産婦人科でも、妊婦の栄養状態については
明確な貧血にでもならない限りは
特に妊婦への十分な栄養指導はなされていない印象です
(ここ20年はようやく、アメリカにならって
妊婦への葉酸の多量摂取を推奨するようになっていますが)。

実際には母体がタンパク質不足があるような食生活だと
それに連動して他のビタミンも、
そして鉄や亜鉛などのミネラルも欠乏します。

そして鉄も亜鉛も皮膚や粘膜の健全な形成に不可欠なので、
母体にそれらの不足があると赤ん坊もそれらを十分得られず、
それが新生児アトピーにつながる大きな要因になっています。

また鉄欠乏は落ち込みや不安、イライラ、不眠など
諸々の精神症状の背景にあることが多く、
これが産後うつ(マタニティ・ブルー)の要因の一つにもなっています。

さて、では具体的には日々、
何を意識的に有効活用できるでしょうか?

🔴おすすめのもの🔴

・ゆで卵、温泉卵
・ベビーチーズ、一口サイズのナチュラルチーズ(食べやすいので)
・サラダチキン(高タンパク、低脂肪。
 鶏むね肉には疲労回復作用のある「イミダペプチド」が含まれています)

・シーチキン(従来の缶詰のほか、最近は小分けパックタイプもあり)
・サバ缶、イワシ缶・・・水煮やオリーブオイル漬けなどのもの。
・冷奴セット
・茶碗蒸し・・・冷たいままでも、温めても食べやすい。

・ヨーグルト(できるだけ砂糖やブドウ糖無添加のもの)
 ・・・「ギリシャヨーグルト」は水切りがしてある分、
グラム当りのタンパク質量が増えていますが、やはり
砂糖で味付けしてあるものは害の方が大きいです。
無糖のものもありますが、添付のフルーツソースや
ハチミツはいさぎ良く捨てましょう。

豆乳・・・無調整がお勧めですが、慣れるまでは調整豆乳でもまあ良いでしょう。

▲要注意のもの▲

・サバ缶だが味噌煮や醤油煮のもの

・サンマの蒲焼風味
・・・味噌煮、醤油煮、蒲焼き味などいわゆる「甘辛味」は
総じて砂糖がかなりはいっているからです。

・焼き鳥缶
・・・特にタレ味。塩味は多少マシですが、
やはり結構砂糖が入っています。

◆(注)よくある誤解◆

・肉まん

私が「肉を多く摂りましょう」と助言すると、
「今日は肉まんを食べたからいいですよね」
という方がおられますが、あまりお勧めはしません。

たしかにあんまんなどよりははるかにましですが、
肉は少なく、つなぎとパンが大部分なので。

・練り物、ハム、ソーセージ

もともとソーセージやハムは加工食品なので
調味のために砂糖や塩、
「つなぎ」としてでんぷんが加えられています。

さらにソーセージは脂肪分が3割近くもあり、
多く摂ると飽和脂肪酸による高カロリー状態になる
のも考えると、お勧めできません。

ほかにも魚肉の練り物があります。
ちくわ、かまぼこ、はんぺんの他、
さつま揚げをはじめとする揚げ物が多種ありますが、
揚げてあるぶん、高カロリーだしその揚げ油の品質が不明なので、
日常的には摂らない方が良いでしょう。

魚肉ソーセージ一般もつなぎや砂糖の量がバカになりません
「リサーラ」などは他製品よりは比較的
つなぎのでんぷんの割合が少なそうですが)。

・揚げ物系(唐揚げ、アメリカンドッグ、揚肉串など)

コンビニで手軽に年中買えるということで
唐揚げ/フライドチキン、アメリカンドック、焼き鳥串、焼豚串
など最近種類もフレーバーも増えてそれなりに人気のようですが、
どれもこれも揚げ物である、という点が問題です。

既に書いた通り、揚げ物は
・衣が糖質
・衣に油がしみこみ、高カロリーに
・油が酸化しているリスク高い
という大きなデメリットがあります。

最近の医学研究で、週1回揚げ物を食べただけでも
全死亡率及び心臓・血管系疾患発症リスクが
明らかに上昇する、というのがありました
(特に閉経後の女性)。

また別の研究でも、せっかく魚を食べても
(刺し身や、せいぜい塩焼きなら良いが)
揚げ魚はせっかくのオメガ3系油脂(DHA、EPAといった
生活習慣病を予防し、脳機能改善に役立つとされる)
が酸化してしまい効果をなくす、と出ています。

つまり揚げると魚の良い油脂作用が消え、
揚げ物ゆえの悪さだけ残る
という状態になってしまうのです。

なので、アジのフライやエビフライ、
カキフライ、イカリングなども、嗜好品として
たまに楽しむ程度以上には摂らないほうが良いでしょう。

同じ理由で、トンカツや天ぷらも要注意です。

④お寿司
「スシはヘルシー」という視点で外国人に人気なのもあり、
魚を食べる寿司は健康的、というイメージです。

確かに揚げ物や、バターや小麦粉ソースでたっぷりあえた料理よりは
油脂も糖質も減らせるでしょうが、
問題は、ネタと一緒に米飯も必ず食べるという点です。

もちろん「ネタは大きく、シャリは小さめに」すれば、
欠点は減らせるでしょう。

その意味でも海苔巻(かんぴょうやでんぶ、卵焼きが甘い=砂糖多い)や
軍艦系は少なめにし、
寿司のみでなく刺し身盛り合わせとか、茶碗蒸しを前半に食べて
血糖値上昇速度を少しでも緩めるように意識しましょう。

同じ理由で、寿司に突撃する前に

・サラダやお浸し、酢の物を先に摂るのも好ましいです
(ただし三杯酢やドレッシングには砂糖が含まれますのでかけすぎないように)。
あと、
・冷奴や枝豆なども小鉢として一緒に摂るのも良いですね。

(補足)プロテインの選び方
「食事ではあまり肉とか摂れないのだけど、プロテインで摂るのはどうか?」
もよく訊かれる質問です。

答えは
良質なプロテインで、量をしっかり摂れるなら役立つ
ただし
主役はあくまで食事
というのがポイントです。

最近は店頭で購入できるプロテインの種類も増え、
「アミノ酸スコア100」など高品質をアピール
している商品も増えていますが、

(医薬品と違って)食品の品質保証基準はゆるいので
できあがり製品にラベル通りの内容が含まれていなくても、
法的に罰せられません。


このため、選んだプロテインが有効かどうかは、
実際に数ヶ月以上服用し

3~6ヶ月ごとの血液検査を繰り返すのと、
自覚症状の改善で初めて検証できます。

なお、味をよくするために砂糖やブドウ糖、果糖などが
添加されているものも
散見されますので、
そうしたものは避けましょう。


「きなこや大豆粉ではどうか?」
という質問も時々ありますが、これらは
栄養補給のために作られたプロテインよりも粉末が荒く、
つまり吸収率が低い場合が多いので要注意。
(消化能力の低下している人の場合、
多量に服用すると下痢する場合もあります)


それでも、糖分入りの「プロテイン」製品よりは
はるかにマシですが・・・。

良い油脂、悪い油脂

⑵ 良い油脂、悪い油脂

厚労省の特定健診(いわゆる「メタボ検診」)の普及で
コレステロール高値が悪いと強調されますが、
実は低すぎることも
健康上、
大きな害があることがわかっています。

例えば低すぎるコレステロール値だと
健康寿命が短くなる傾向の他、
コレステロールは
性ホルモンを含めて各種ホルモンの主たる原材料なので

ホルモン分泌不全となり、
体内の種々の代謝障害をきたします。

そもそも脂質は細胞膜の大半を占める主成分であり、
細胞膜によって
各細胞の内外のやり取りが
調整されている(つまり細胞膜は重要な関所)ですから、
良質な脂質を十分日頃から摂取できていないと

・必要な物質を細胞に取り入れたり
・細胞内で発生した「ゴミ」(不要な代謝産物)を排出したり
・有害物(病原菌や毒素)をブロックしたり

できなくなり、各種機能障害や感染症、
アレルギーや自己免疫疾患に
つながりやすくなってしまいます。


では、どのような食品で良質の油脂を
補給したら良いでしょうか?

以下がお勧めです。

各種ナッツ

入手可能な一般的なナッツはどれもそれぞれに良い脂質
(若干のタンパク質も)を含みます。

『ハーバード医学教授が教える  健康の正解』
(サンジブ・チョプラ他著、ダイヤモンド社)では、

本当に信頼できる研究(※)だけから選び出した
結果の「ビッグ5」として、
個人が毎日
効果を上げられる要素を5つ紹介していますが、

その1つにナッツがランクイン。
それほど、ナッツは「使える」のです。

ただし、味付けのために砂糖や油などで
処理してあるものは避けましょう。

揚げたものは避けた方が良く、
塩も加えていない素煎り(ロースト)が望ましいです。

もしも手に入るならば、
アーモンド・カシュー・くるみなどは
生のものが更に好ましいです
(通販で見つかることがあります)。

(※)本当に信頼できる研究
「ランダム化・二重盲検・プラセボ対照」のような
学術的価値の高い方法で検証されたもの、

「何十万人」という膨大な数の被験者を
「何十年」も追跡・比較してわかったもの、

そして質の高い多数の研究結果を統合・
再分析してわかったもの(メタ解析)

といった、真の意味でエビデンスレベルの高い
(医学的・統計的に証明された)ものを指す。

他の望ましい油脂

・オリーブ油、ココナッツ油
・MCTオイル
です。

MCTオイルは、ココナッツオイルの良さである
「中鎖脂肪酸」を人工的に抽出したものです。

中鎖脂肪酸は(通常の油脂の中心となっている
長鎖脂肪酸と異なり)摂取されても
脂肪細胞に沈着しにくく、すぐに
代謝エネルギーとして使われるとされます。

この「効能」のおかげで一時ココナッツオイルが
ブームになったわけですが、
中には
あの独特の香りが苦手、という人も。

あと、ココナッツオイルは融点が26℃と高いため、
真夏以外は室温でもすぐに固まってしまい、
やや使いづらいという短所がありました。

この2つの短所を解消したのがMCTオイルなので、
・無味無臭
・いつも液体
したがっていつでもどこでも補給できる、というわけです。

     (商品の一例↓)


望ましくない油脂

トランス脂肪酸(マーガリン、ショートニング)

残念ながら、市販のパン、クッキー、ケーキ、
各種スナック菓子のほとんどに含まれています。

安価で、日が経ってもいつまでもふわふわ・
サクサクとした食感が保てるからです。

しかし天然では少量しか存在しない油脂なので、
人間に代謝経路が進化してきませんでした。

このため細胞が有効活用できず、
かといって排除するシステムもないため
細胞内に組み込まれてしまい、このため
細胞膜機能や酵素反応といった重要な機能が
損なわれることがわかってきました。

 

紅花(サフラワー)油

「健康的な植物油」ということで
30年前~10数年ほど前まではブームに
なっていましたが、その後の研究で
かえって心臓血管系の疾患リスクを
高めることがわかりました。

現在でもまだ、サラダ油やマーガリンに
わざわざ「紅花油」、あるいはその健康効果の
もとと思われていた「リノール酸」をうたった
製品が一部残っていますが、近づかないようにしましょう。


バターや肉(特に獣肉)の脂肪は飽和脂肪酸だから
悪いとか、いや悪くないという論争がありますが、

要は油脂の種類としての
「オメガ6」と「オメガ3」の比率が重要なのであり、

現代生活ではよほど意識していないと
オメガ6系である肉、卵、乳製品
およびその加工品ばかり摂取してしまい、

そのせいで体内炎症が慢性化し、
これが各種生活習慣病のベースとなることが問題です。

なので意識してオメガ3を増やす必要があります。

では何にオメガ3が多く含まれるかですが、主に魚です。



特にアジ、イワシ、サンマ、サバといった青背魚系は
オメガ3の代表格であるDHA、EPA が多く含まれます。

なお、魚が苦手な人や、植物食中心にしたい人には
アマニ油やエゴマ油(しそ油)などが良いともいわれますが、
これらの油をきちんと吸収するためには代謝に必要な
各種ビタミン・ミネラルが十分体内にあることが条件。

しかし多くの人はそうでないので、
和・洋・中さまざまなメニューから
自分が比較的
取り入れやすいものを探して、週に2-3回は
魚を摂る機会を作るように意識してみましょう。


例えばサラダにトッピングのようにしてシーチキンを加えるとか、
ご飯の時にはふりかけ代わりに必ずしらす
(またはちりめんじゃこ)を食卓に出しておく、

といったところから工夫されてはいかがでしょう。

甘味の摂り方

砂糖は白砂糖だけでなく、三温糖だろうが黒砂糖だろうが
はたまた「ヘルシー」イメージのあるハチミツだろうが、
血糖値の急上昇をきたすことには変わりないのでお勧めしません。

アメの代わりにブドウ糖を買ってなめている人もいますが、
砂糖もブドウ糖と果糖からできていることからもわかる通り
避けた方が良いです。

また最近は「砂糖」という名称を避けて
なんとかヘルシーなイメージを維持しようとしているのか、
砂糖の代わりに「甜菜(てんさい)糖」「甘藷(かんしょ)糖」「有機サトウキビ糖」と標記してあったりしますが、

要は材料がそれぞれ「サトウダイコン」「サツマイモ」「サトウキビ」というだけで、同じ砂糖になるので、害も同じです。
惑わされないようにしましょう。

【お勧めできる甘味料】

アガーべシロップ
・・・ナチュラルローソンや成城石井など
ちょっと高級スーパーには置いてあることが多い)

ラカントS
・・・いずれも天然由来の羅漢果エキスとエリスリトールを合わせたもの。
顆粒もシロップもあり、使いやすい)

※ステビアやキシリトールも天然由来でカロリーもほぼなく
お勧めしたいところですが、実際には入手しにくく、
購入できても価格が高いので実用的ではありません。

△メイプルシロップ
・・・特に色の濃い「ベリーダーク」タイプのものは比較的
血糖値の上昇速度が遅いといわれてきましたが、
現在はアガーべやラカントSの方がお勧めです。

低糖質チョコレート
…砂糖やブドウ糖の代わりにマルチトールやラカントなどを使っているもの。
特にマルチトールやアガーべシロップはカロリーはあるものの、血糖値の上昇速度が砂糖やブドウ糖よりは緩やかといわれています。

また人工甘味料を敵視する人もいますが、
従来いわれてきたような発がん性も
ほぼ無視して良い程度とわかってきました。

ただ最近の研究で、人工甘味料が腸内環境を
悪化させるとの説も出ているので、
やはり食べすぎは避けましょう。

最近ではグリコ「SUNAO」シリーズでカップアイスクリーム、
ソフトクリーム、アイスモナカなども
置いているコンビニもありますが、
チョコの場合と同様、「少しでも甘味をほしい」
という際の次善の策として、上手く活用してください。

ちなみに最近私が知ったヒットは、
日本橋高島屋新館地下1階に入っている「なかほら牧場」
ここのソフトクリームをはじめ、プリンやドリンクヨーグルトなど
主なスイーツには、砂糖もはちみつも人工甘味料も使わず、
アガーべシロップを控えめに使っているのみです。

通販サイトもあるのですが、まとめ買いする必要と
送料も加わり結構割高なので、
日常使いは厳しいかもしれません。

「補食」という視点

カロリーオーバーによる各種生活習慣病が
大きな問題になっている現代、
「間食は止めるようにしましょう」
という指導がされがちですが、

カロリーは多くてもタンパク質や
ビタミン、ミネラル、食物繊維といった
栄養素が不足している人が単に
間食を控えても、これといった
改善は得にくいでしょう。

それよりも、(本格的に空腹になって
クラクラ、イライラし始める前に
低糖質・高タンパク質の食品を
こまめにつまんで補給するのが、
理にかなっています。

この間食を、おやつではなく
食事を補うという視点から
栄養療法では「補食」と読んで、重視しています。

前述のように、よほど気をつけないと
毎日必要なタンパク質量は摂取できないので、
食事以外にも「補食」でタンパク質量を稼ぐ、
という考え方です。

日々手に入れやすく活用しやすいものという観点で、
以下にお勧めのリストを挙げておきますね。

ゆで卵
ミックスナッツ(味付けしていないもので、揚げていないもの)
煎り大豆(味付けしていないもの)
ベビーチーズ

ヨーグルト
・・・特に食べきりサイズのカップヨーグルトは使いやすいですが、
極力砂糖不使用の物を探しましょう。
具体的には「ガゼリ」シリーズ
(ただしフレーバーにより砂糖が入れてあるので、
必ずラベルを読んで要確認!)や、
ギリシャヨーグルト[付属のシロップは割り切って捨てましょう!])

するめ
・・・ハードタイプで、味付けしていないもの。
ソフトタイプは砂糖たっぷりなので避けましょう。

なお、最近ではコンビニや駅のKIOSK などでも
注意していると意外と使えそうな
おつまみパックが散見されます。

例えば
・塩ゆでした枝豆、ピーナッツ
・なとり「濃厚チーズ」
・・・ほどチェダーチーズのみで作った半生おつまみ。

・原材料の中心がチーズのグリコ「チーザ」
・・・ただし塩分と油脂が多いので量は少なめに

・名古屋名物のえびせんべい「ゆかり」
・・・味付けが控えめ。小麦粉や砂糖も含まれるものの、最大原材料が海老
・MCTオイル5~10gの飲みきりサイズのスティックタイプ
(前出)

外食でのメニュー選びのコツ

現在ではかなりの地方都市でもコンビニと
ファミレスチェーンは共通のものが多いので、
下記の原則はどこに住んでいる人でも
概ね当てはまると思います。

ファミレス

お勧めメニュー例は
ゆで卵やシーチキン入りサラダ
・トッピングに温泉卵(半熟卵)を付ける

注意点としては
・スープはポタージュを避ける(この意味で
「スープストックトーキョー」や「チャウダーズ」
はポタージュ中心なのでお勧めしません)。

ビュッフェ形式の食事

ホテルのランチや朝食ビュッフェ、あと例えば
東京・新宿にある「柿安三寸箸」も。

ただし、こうしたお店でもデザートは
ふつうに砂糖たっぷりなので、
選ばないように気をつけましょう。

居酒屋

居酒屋はランチメニューに定食が比較的多いこと、
そしてもちろん夜もタンパク質4種(肉・魚・卵・大豆)
ともいくつもメニューあり、選択肢が多い上、
野菜、海藻などの副菜も一通り揃いやすいので良いですね。

その他の外食チェーンなど

・吉野家→ライザップとコラボメニュー「ライザップ牛サラダ」

・”Dexee Deli” のランチBOX でご飯の代わりにグリーンサラダを入れるバージョンもあり。

各自、常に情報収集し、自分に適した
糖質制限かつ高タンパク質の入手先を
キープしておきましょう。

分子整合栄養療法の情報源

以下に関連記事、書籍、サイトなどを載せておきます。

<関連記事>
メンタル不調を治すために開発された栄養療法の内実
新型インフルエンザにも負けない!栄養で免疫力を上げるコツ


<参考図書>

『最強の栄養療法「オーソモレキュラー」入門 』
『完全復職率9割の医師が教える うつが治る食べ方、考え方、すごし方』 

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ホリスティック(※)精神科医として、できるだけ薬を使わずメンタル改善する方法を様々に模索し、相談者にご提供してきました。このブログではその中でも特にアート(特に絵画療法)のエッセンスを通じてあなたが自己ヒーリングできるように工夫した情報を発信していきます。 ーーーーー ※ホリスティック:「統合的、総合的な」という意味。ここでは薬物療法オンリーの従来型精神医学の限界を突破するために深層心理学、催眠療法(ヒプノセラピー)その他のスピリチュアル、アロマセラピー、そして精神症状を改善するエビデンスのある分子整合(オーソモレキュラー)栄養療法を通じてメンタル不調を改善することを指します。